「福岡アジア文化賞」をめぐり、またしても杜撰な旅行命令書(出張命令書)が存在していたことが明らかとなった。カラ出張同然のケースである。
先月、データマッスク取材班が、福岡市に情報公開請求して入手した市総務企画局国際部の海外出張に関する旅行命令書と復命書は、必要な事項が記載されていなかったり、改ざんされたりと瑕疵ばかりが目立つ。観光目的としか思えない不必要な海外出張さえ存在した。ただし、これらは公開された公文書を精査した上で明るみに出たものである。じつは、公開された一連の文書は完全ではなく、不足する部分があった。当然、文書の存否について確認を求めることになる。
08年8月、アジア文化賞・受賞者発表の現地記者会見のため、アジア文化賞担当課職員らが香港に出張する。この折、広州市に派遣されていた市職員1名を香港に移動させ、会見での手伝いをさせたのだが、当然のことながら旅行命令が必要となる。しかし、公開された公文書のなかには、派遣職員の復命書が存在するだけで、命令書自体が見当たらなかった。市側に確認を求めたところ、今月9日になって当該職員への「旅行命令(依頼)書」
があったとして下記の文書を提供してきた。
「旅行者」である当該職員の印鑑もなければ、「命令者」の印鑑もない。しかし、公費支出だけは行われている。つまりカラ出張と言われても仕方がない状態ということだ。市側に対し、再度説明を求めたが、9日夕のアジア文化賞担当課による説明は到底納得できるものではなかった。
(つづく)
【市政取材班】
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