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広告業界、生き残りの道は?(15)
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2009年10月23日 08:00

広告会社の新たなビジネスチャンスは、
道州制など地方分権の流れの中に必ず潜んでいる

 民主党政権が誕生し、日本社会も構造変革へと動き出したことは間違いない。
その流れのなかで、広告会社にとって新しいビジネスチャンスは産まれてくるのだろうか。
 記者は、中央と地方の格差が広がって地方が疲弊してきているなかで、広告ビジネスのチャンスとして、地方分権への動きに注目したいと考える。
 東国原知事や橋下知事の活躍で、地方分権の必要性への理解は進んできているが、実際のところ、地方自治体の首長、議員、公務員にどれだけ分権後の自治体経営に必要な経験、能力、人材が備わっているのだろうか。
 これまでの地方自治体は、国の指針に従って運営すればなんとかやってこれたが、いざ自主財源を得ても、地域の競争力を高め、地域経済を活性化させて、財政基盤を安定させていくには、人材もノウハウも全く不足しているのが現実だろう。
 もちろん地方自治体の経営には、多くのノウハウが必要となってくるが、まず一番重要なのは、歳入を向上させるための地域経済活性化戦略の構築だろう。自主財源が増えて、福祉・医療・介護・教育など歳出配分の柔軟性は増すだろうが、その財源自体が増えていかなければ、結局そこに住む住人の生活は良くなっていかない。
 例えば、道州制が現実となった場合に、九州道はどのように歳入を増やしていくのか。地方自治体の経済活性化のための、経営戦略と実行力が問われてくる。
 そこで活きてくるのが、広告会社のマーケティング+発想力だ。
 これまでも広告会社は、地域活性化のための活動を、県や市、地域公共団体などと行なってきたが、その活動は主に広報、イベント分野に限られてきた。
 しかし、広告の企画作業と同じ手法・ノウハウが、経済活性化の経営戦略作りにも活かされる可能性は高い。
 マーケティングとは、時代の大きな流れのなかで市場を分析し、対象となる素材の強みや弱みを把握して、その強みをどう特化し、育てていくかということである。
 九州という地域のなかの、どの産業のどこに注目し、どのように他地区と差別化していくのか。違うのは、解決手段が広告という限られた方法だけでなく、自治体の持つ資金、人材、制度などその資産をフルに使えるようになることで、そこではこれまでの公務員のように受身ではない柔軟な発想力が求められてくる。
 今の広告マンには素晴らしい人材はいっぱいいるし、彼らのノウハウ、エネルギーを、「相対的に衰退化している広告」という枠のなかだけで使わせているのはもったいない。
 先日もある大手広告会社の、九州の拠点にいる後輩と話していて、彼は鳥取県の出身であるが、「自分のこれまでの経験を、故郷のために活かしていければいいな」と夢を語っていた。
 地方分権社会への時代を見越して、志を持った人材をどう活かしていくか、それをまたどのように広告ビジネスにつなげていけるか、広告会社の経営者には真剣に考えてもらいたいと願う。

(了)

【松尾 潤二】


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