政治家の金銭感覚が麻痺すると、公私の区別がつかなくなるらしい。
07年福岡知事選をめぐる巨額政治資金流用疑惑の主役、福岡2区の稲富修二衆院議員(民主)による、不適切な政治活動費の支出実態が明らかとなった。
稲富氏の資金管理団体「いなとみ修二後援会」の08年分収支報告書によれば、同年5月と8月の2回に分けて、「博多玄海ライオンズクラブ」の会費を支払っていた。政治活動費のうち「組織活動費(渉外費)」の項目にライオンズクラブの入会金や会費を支払ったことが記載されており、クラブ側発行の領収書も存在する。しかし、領収書のあて名は「稲富修二様」となっていた。
ライオンズクラブは個人での入会を原則とする世界的奉仕団体である。「いなとみ修二後援会」としての入会は考えられない。前述の「博多玄海ライオンズクラブ」に確認したところ、稲富氏が会員であることと政治団体の入会はできない旨の回答を得た。ライオンズクラブの活動は、政治や宗教とは無縁でなければならないという。稲富氏は個人の資格でライオンズクラブに入会しておきながら、その会費を政治団体の財布から支出させていたことになる。
同後援会には08年、民主党から1,000万円以上の入金がある。民主党の政治資金の大半が政党交付金で賄われていることを考えれば、いなとみ後援会も税金で成り立っていると言っても過言ではない。稲富氏個人のライオンズクラブの会費を、政治活動費として処理することは明らかに間違いである。稲富氏側に問題の確認を求めているが、3日たっても何の連絡もない。政権交代後、初の本格的論戦が予想される国会が始まった。稲富氏に政治や予算を語る資格があるとは思えないが・・・。
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