福岡市総務企画局国際部アジア文化賞担当課による海外出張中、不必要な専用車借り上げを行っていた疑いが浮上した。専用車の必要性を探るため、日程について検証を試みた。
2008年4月7日から同12日にかけて同課係長が行ったクアラルンプールへの6日間の出張日程表がある。
・1日目、午後5時にクアラルンプール到着。この日公務はなく、空港からホテルへ直行。当然専用車の必要はない。
・2日目、14時から「国際交流基金クアラルンプール日本文化センター」訪問の予定のみ。
・3日目、16時から「在マレーシア日本大使館」訪問のみ。
・4日目、16時からアジア文化賞受賞内定者との折衝。
2日目から4日目までの日程にはいくつかの問題点が見えてくる。まず、受賞内定者との折衝前に、なぜ、わざわざ我が国の関係機関に顔を出す必要があるのだろう。協力要請や挨拶のためなら、メールでも済む話である。
また、1日わずか午後一回の予定のためだけに専用車を借り上げていることは、とても一市役所職員の出張では考えられない。この点については、市関係者からも「1日1か所の訪問予定なら、その時間だけ借り上げれば済む。クアラルンプール市内は狭い。タクシーで十分のはずで、専用車を借り上げる必要はない」との指摘が出ている。つまり、不必要な専用車使用ということだ。
5日目。21時45分の出発までの予定は「クアラルンプール市内」。アジア文化賞担当課による他の出張日程でも、最終日は同様に「~市内」と記されているケースが散見される。その内容について追及すると、担当課職員は一様に返答に詰まる。「視察」と称した「観光」だった疑いが濃い。導き出される結論は、この海外出張に専用車の必要性は皆無だったということなのだ。
通常の福岡市職員による海外出張では、市長などを除き、専用車借り上げは考えられないという。アジア文化賞担当課による海外出張のあり方に、市役所内部から批判が出るのは当然と言えるだろう。
【市政取材班】
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