福岡アジア文化賞委員会の海外出張をめぐり、不適切な公文書管理の数々が明るみに出ている。あまりのひどさに市役所の内外から批判の声が上がっているが、違法行為を組織ぐるみで隠蔽したとしか思えない文書が見つかった。
今年8月、同賞の海外出張について、最初に報じたのが出張復命書の改ざん問題だった。2008年3月30日から4月8日まで9日間の日程で、「福岡アジア文化賞」受賞内定者との協議のため、職員2人がスリランカに出張した。出張命令書は2人の職員に出されているが、「復命書」に記された出張者の名前は1人の職員のものだけである。ともに出張したはずの係長の復命がなされていなかったのだ。
復命書の不備を指摘したところ、8月25日になって「正しい復命書」として、復命漏れしていた職員の氏名と印鑑を押した「改ざん文書」を提供された。この折、担当職員が上司の決済を経ずに改ざんに及んだことが明らかとなっていた。文書提供時に同席した担当課長が、改ざんの事実を知らなかったのである。当時のやりとりの記録を何度も確認したが、改ざんの事実について上司が知らなかったのは明白だ。しかし、新たに市側が出してきた「復命書」には、なぜか下記の文書が加えられていた。
復命書に漏れていた職員名と印鑑を追加することを認める文書である。
これは、データマックス取材班とのやりとりの後に作られた文書であり、改ざんを追認し、「偽造公文書作成」との指摘をかわすためのものでしかない。換言すれば、組織ぐるみの違法行為隠蔽である。アジア文化賞の闇は深いとしか言いようがない。
【市政取材班】
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