ここまでして年間1億円近い公費を使う意義があるのだろうか。
福岡アジア文化賞に関する不適切な海外出張の実態を報じているが、同賞の存在意義自体を疑わざるを得ないような公文書の記述が見つかった。
問題の文書は、福岡市総務企画局国際部のアジア文化賞担当職員が、07年3月31日から4月13日までの日程で同賞の受賞内定者や関係機関を訪れた際の「復命書」。受賞者発表記者会見への参加を要請するため、報道機関を訪問した折の各社の反応を記していた。
「何とかして記事にしてくれそうな雰囲気」
「関心は少ない様子で反応は良くない」
「高い確率で記事にしてくれそうな雰囲気である」
「日程の調整が可能であれば出席したいと思う」
報道各社のアジア文化賞に対する対応ぶりが素直に綴られているが、これはアジア文化賞に対するマスコミの評価でもある。会見参加どころか、記事にしてもらうことに汲々とする市側の姿が浮かび上がる。創設から20年経ったにもかかわらず、同賞の国内外における評価が決して高くはないということだ。
アジア文化賞大賞受賞者(1名)に500万円、各章受賞者(3名)に300万円。合わせて1,400万円を贈るため、ムダな海外出張を繰り返したあげくがこの様である。同賞の価値を疑わせる公文書の記述はまだある。
(つづく)
【市政取材班】
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