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山水建設への遺書(42)  エピローグ―その2/野口孫子 氏
経済小説
2009年11月 4日 08:39

エピローグ2

 山水建設は50年前、世界のどの国でも事例のない工業化建設や住宅を手掛け、まさに「羅針盤のない航海」に船出した。そして幾多の苦難を乗り越え、押しも押されもせぬ超一流企業へと成長を遂げた。
 しかし、今市場は一変し、100年に一度と言われる経済危機に加え、地球温暖化や人口減少など、先行きが不透明な時代を迎えている。

 たとえば自動車業界では、環境保全の観点からガソリンから電気に、エネルギーの主流が変わろうとしている。21世紀の覇権をかけた自動車革命は、すでに始まっている。
 建設、住宅の分野でも、環境問題に配慮した「エコ」の部分が大きなウエイトを占めようとしている。幸い山水建設は、エコの取り組みとしては業界でNo.1だろう。しかし、取り組みが先んじているだけで、他社に比べて革新的技術を持っているわけではない。
 建設、住宅の分野にも、やがてエネルギーの大変革が訪れるだろう。これからはどの産業分野においても、革新的な技術をいち早く勝ち取ったものが市場の競争に打ち勝つだろうといわれ、各社とも技術開発に凌ぎを削っている。

 経済危機、温暖化、人口減少など、人類がかつて経験したことがないようなことが起こっている。市場のニーズは刻々と変化している。消費者の購買意欲を、的確にとらえることができた企業が勝ち残るといわれている。
 坂本会長CEOのような独断専行の経営のやり方では、不透明な時代には即応できないことはすでに証明された。坂本がこのことに早く気が付き、自分の保身や権力欲を捨て、山水建設の未来のために、我が身を捨てて必死に、仕事に尽力することを期待したい。一歩でも、一瞬でも判断を遅らせれば、大企業といえども、GMのように破綻に向かう時代である。

 幸いまだ山水建設には、創業社長山田の遺志を継いだ健全な考え方の社員が、多く残っている。チャンスの到来をじっと待っている。
 山水建設がこの先、光り輝く、明日を約束する、沈まぬ太陽であらんことを、願ってやまない。

~了~

(これはフィクションであり、事実に基づいたものではありません)

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