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東京レポート

消費者金融市場の淘汰が進むなかで 買収を加速するネオラインキャピタルとは何者か?(下)
東京レポート
2009年11月12日 08:00

<ライブドアの残党が結集>
 ネオライングループは、旧ライブドアの残党が結集した投資会社である。前身は消費者金融のロイヤル信販。ライブドアに買収されて04年12月にライブドアクレジットに社名を変え、不動産担保融資のビィージャパンなどとともに、ライブドアのファイナンス部門を形成した。
 ライブドア事件後の06年12月、買収ファンドのアドバンテッジパートナーズがファイナンス部門全体を買収、ライブドアクレジットもかざかファイナンスに社名を変更した。 だが、かざかファイナンスは、イッコー、クレディア、三和ファイナンスと相次いで消費者金融業者を傘下に収めて、親会社のアドバンテッジとは異なる方向へ向かった。
 今年1月には、社長の藤澤信義氏がかざかファイナンス全株を取得して、アドバンテッジから離脱、かざかファイナンスの社名をネオラインキャピタルに変えた。
 ネオライングループの持ち株会社であるNLHD代表の藤澤信義氏(39)は、東京大学医学部卒業のキャリアをもつ変り種。入社したビィージャパンがライブドアに買収されてライブドアグループに入り、ライブドアクレジットの社長を務めていた。ネオラインキャピタル社長の千葉信育氏(36)は、ライブドアクレジットの副社長だった。

<資金スポンサーは日本振興銀行>
 ネオライングループの資金パトロンになったのが、日本振興銀行会長の木村剛氏(47)。木村氏は日銀の出身で、竹中平蔵・元金融担当相のブレーンとしてメガバンクの不良債権を半減させる「竹中プラン」を作成した中心人物だ。ネオラインがレナウンに求めた取締役3人のうちの1人が木村氏だった。
 振興銀は07年頃から、SFCGやロプロなどの商工ローンや消費者金融会社から貸出債権を買い取る、債権買い取りビジネスに転じた。メガバンクのバックがなく、資金繰りに苦しんでいたノンバンクは資金調達ができた。一方の振興銀は、営業努力なしに貸出残高を伸ばし、収益を上げることができるメリットがあった。
 振興銀と二人三脚で、貸出債権の買い取りを行なってきたのがネオライングループ。ネオラインは09年4月に、プロミスの子会社3社を買収したのに続き、同年9月にアイフルの子会社4社も買収。金融危機を絶好のビジネスチャンスとして、振興銀=ネオライン連合は消費者金融会社とその債権を買い取り、大手4社に次ぐ第三勢力を形成するまでに急拡大した。しかし不良資産を抱え込む可能性もあり、前途には疑問符が付く。

(了)

【日下 淳】


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