2010年現在、結果的にはヤマダ電機、エディオン、ケーズホールディングス、ビックカメラ、コジマの後塵を拝してしまい全国7位に成り下がったベスト電器だが、こうした状況になるであろうことは10年以上前からすでに予測されていた。
98年6月8日号の当社発行誌にはこう記されている。
『平成八年度まで家電販売業界、売上高日本一の座を守ってきた(株)ベスト電器(本社:福岡市中央区、代表:北田葆光氏)が、とうとう(株)コジマ(本社:栃木県宇都宮市、代表:小島勝平氏)にその座を明け渡した。今まで、家電販売業界では無風区だった九州・福岡地区も関東勢の進出により、いきなり激戦の様相を呈してきた中、ベスト電器の牙城である九州・福岡でどう闘っていくのか注目を集めている』
当時、ベストは2代目の北田葆光氏が事業を継いでいたが、創業者・北田光男氏は会長として健在。また18年間、ベストは売上高日本一を誇っていたものの、「北関東御三家(YKK)」の1社だったコジマが98年3月期決算で前期比9%増の3,015億円を計上。対するベストは同2月期決算で前期比10%減の2,556億円にとどまり、明暗が分かれた。ここから同社の転落が始まる。
この記事の約1カ月前の98年5月1日、ヤマダ電機が福岡市博多区に出店した。オープン時の様子を当時こう伝えている。
『驚くことにオープン1週間前の4月24日ですでに10人ほどが並び、その数は日が経つにつれて増加していき、オープン当日朝6時の時点で行列が同点駐車場を一回りして尚500mというものであった。また、オープン後3週間経った時点の平日の昼間で駐車場は、ほぼ70%埋まっている状態で......』(98年6月8日号の当社発行誌)
こうしたなか、コジマも98年中に九州1号店を出店する計画が明らかとなった。10月30日に「コジマNEW粕屋店」(2003年に閉店)、翌年には「福岡空港店」を相次いでオープンし、福岡で本格的に家電販売戦争時代に突入した。
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【大根田 康介】
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