井筒屋(北九州市)は、3月1日付で中村眞人社長に代わり、社長執行役員営業本部長に影山英雄氏、専務執行役員管理本部長には山口銀行出身の坪井栄一郎氏が就任することを発表した。
影山氏は明治大学を卒業後、1975年に井筒屋に入社。社長室ゼネラルマネージャーなどを経て、06年5月から執行役員を務める57歳の生え抜き。
一方、ナンバー2の管理本部長に就任する坪井氏は、山口銀行北九州支店長を経て昨年より井筒屋へ出向している。新体制による井筒屋再建のスタートとなる。
山口銀行は過去、地元「ちまきや」を整理回収機構の企業再生ファンド機能を活用し、数十億円にものぼる債権放棄を実施して再建を図ったが軌道に乗せることができず、井筒屋に支援を要請。「山口井筒屋」としてスタートしたが、売上は当初計画の85億円から遠くおよばず65億円にとどまっている。
また、伊勢丹から引き受けたコレット井筒屋の売り上げ減への対応ならびに人員整理による経費削減など、早急に取り組むべき課題が山積している。
百貨店業界を取り巻く環境が一段と厳しさを増すなか、山口銀行出身である坪井管理本部長の再建手腕が試されることになる。
【北山 譲】
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