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特別取材

北京五輪や上海万博でも使用 無給水循環式の環境トイレ(上)
特別取材
2010年2月 2日 13:00

(株)エコ・フロンティア 統括営業本部長 陶山 貴祐 氏
(株)エコ・フロンティア 統括営業本部長 陶山 貴祐 氏

 微生物の力で排泄物を分解する、環境トイレ「ecolet」。この画期的なトイレは、一昨年行なわれた北京オリンピック会場で使用されたほか、今年行なわれる上海万博での設置も決まっているなど、海外からも熱い注目を集めている。同製品の日本総代理店である、(株)エコ・フロンティア統括営業本部長の陶山貴祐氏に、詳しいお話をうかがった。(聞き手:柳 憲一郎)

無給水循環式の環境トイレ「ecolet」

 -まず、御社の環境トイレについて、ご説明をお願いします。

 陶山 まず、弊社の「KSCシステム」は、おおまかに言うと微生物の力で排泄物をすべて空気と水に分解し、処理水を放流せずに循環再利用するというシステムです。このシステムを商品化したものが、環境トイレ「ecolet」です。環境トイレ「ecolet」のしくみ
 簡単に流れを説明すると、排泄物はまず「原水槽」に行き、その後、「嫌気槽」、「好気槽」、「沈殿槽」、「調整槽」という4つの行程が1つのタンクのなかで行なわれます。この部分は、下水道でいうところの「処理場」で、ここである程度浄化された水が「反応槽1」で最終的に分解され、臭いの元が除去されます。その後「反応槽2」を通すことで濁りを取り、無色透明の水として「貯水タンク」に上がってきます。よく、「残渣(ざんさ)が残るのでは」などとも言われますが、最終的に微生物が空気と水に分解してしまいますので、残渣は残りません。出た水については、システム内で半永久的に循環していくことになります。
 さらに、この出た水というのは浄化された無色透明のきれいな水です。ここで処理しただけでも、合併浄化槽などの数値よりも低い基準まで落ちています。したがって、最終的に出てくるのは、極端な話「飲んでも大丈夫」な水です。上水と違うのは、塩素処理などの薬品の処理をしていない、という部分のみです。

 -設置する際に必要なものは。

 陶山 最初に原水槽に入れる水と、あとは電源のみです。稼動しているときの電力消費量はだいたい家庭用の冷蔵庫と同程度で、稼働時間も平均して1日に30分くらいです。

 -メンテナンスなどの面はいかがですか。

 陶山 今までに、とくに目立ったトラブル等は発生していないですね。このシステム自体が稼動して4年ほど経つのですが、通常のトイレ用洗剤などで掃除しても大丈夫ですし、機械的にもポンプの異常とか、ブロワ(送風機)の故障も一度も発生していません。「商売的には、何かメンテナンスのシステムをつくった方がいいんじゃないか」と、逆にお客さまの方からアドバイスを受けたくらいです。

 -今、洗剤とおっしゃっていましたが、なかの微生物が殺菌されたりはしないのでしょうか。

 陶山 微生物のところに洗剤が行く前に、前処理槽によって処理されてしまいますので、それに関しては大丈夫です。水が凍った場合はさすがに菌も死滅してしまうのですが、そのような場所ではきちんと寒冷地対策を取っていますし、そのほかの場合でも問題はありません。たとえば、仮に1年間ほど使用しなかった場合でも、菌は菌槽にある杉のチップを食べて生存します。実際、2年近く動かさなかったものを稼動したところ、さすがに最初はタンク内の汚れなどが出てきていましたが、約半日くらいで元の水に戻りました。その後現在まで1カ月ほど動かしていますが、とくに問題なく稼動しております。

(つづく)

【文・構成:坂田 憲治】


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