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政界インサイドレポート

小沢VS特捜部の最終戦争が決着  敗北した検察にどこまで「正義」があったのか
政界インサイドレポート
2010年2月 4日 13:46

 検察の大敗北である。
 東京地検特捜部は足かけ1年にわたる捜査で、小沢一郎・民主党幹事長を「不起訴処分」にする見通しだ。
 第一線の検事たちがいくら地団太踏んで悔しがろうと、立件できなかったからには、水谷建設からの「1億円闇献金」証言も、小沢氏の地元・岩手の胆沢ダム工事をめぐる”天の声”問題も、すべて法的にシロという結論になる。
 特捜部は、小沢捜査からの撤退を迫られる。現場の検事には「脱税容疑で捜査継続する」との強気な声もあるが、最高検がひとたび“撃ち方やめ”の判断を下した以上、検察一体の論理からいって、特捜部が独断で次なる捜査に乗り出すことはありえない。
 「検察首脳部と鳩山政権との間で、手打ちは終わった」(民主党議員)というのが真相だろう。
 そればかりか特捜部には、「確たる証拠もないまま1年近く重箱の隅をつつくように小沢氏の政治資金収支報告書の不備をほじくり返し、政権交代を妨害した」という汚名だけが残る。
 こうなると、最大の犠牲者は政治資金規正法違反で逮捕、起訴される石川知裕・民主党代議士ではないか。水谷建設からの闇献金が“なかった”のであれば、石川氏はこれまでの自民党政治家なら収支報告書の訂正で罪にも問われなかった程度のミスで、事実上、政治生命を断たれたからだ。
 新聞論調には、「小沢氏が秘書の起訴による道義的責任を問われて、民主党内で幹事長辞任を促す動きが高まる」との指摘もあるが、それはない。
 鳩山氏側近の官邸幹部が言う。
 「秘書が政治資金規正法違反で起訴されたのは、鳩山首相も同じだ。小沢氏が政治責任から幹事長を辞めれば、次は鳩山首相が辞任を迫られることになる。そんなことはさせない」
 戦後処理がたいへんなのは、むしろ検察の方だ。
 検察トップの樋渡利秋・検事総長は、定年より2カ月あまり早く今年6月中旬に勇退する。それに伴って、高検検事長など首脳部の人事が行なわれるが、小沢捜査を主導した岩村修二・東京地検検事正をはじめ、西松事件の記者会見で「国民を欺き、政治的判断をゆがめるものにほかならない」と小沢氏側を批判した谷川恒太・次席検事、佐久間達哉・特捜部長は、一足先に4月にも異動になると見られている。
 検察の捜査は国民にとって、民主党政権への期待に水をかけられ、いたずらに政治不信を高めただけの後味の悪いものだった。


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