積水ハウスは地球環境を保全に関する取り組みを約束して、業界初の「エコファースト企業」として環境大臣より認定された。環境保全に対する取り組み姿勢が評価された結果だろう。
積水ハウスのエコに対する地道な努力の結集で、もともと営業マンの質の高さ、住宅の品質の高さ、アフターサービスの良さなどに定評があり、クリーンなイメージの積水ハウスとして定着していた。業界初のエコファースト企業として認可を受けたことは、さらなる良いイメージアップにつながることが期待できる。
さらに住宅業界では今年度より、エコ対策を施した新築住宅およびリフォーム工事には、家電ですでに行なっているエコポイントで還元する政策が実施される見込みである。このことは、業界には朗報として受け入れられている。
しかし、エコポイントで一定の効果は期待できても、大幅な需要の回復は見込めないだろう。エコに対する全社一丸の取り組み姿勢が社会的に評価されても、ユーザーには住宅を建てようとする動機付け、業者選定の決定的動機にはならないだろう。
トヨタの「プリウス」のように、既存のガソリン車と販売価格も大差なく、しかも燃費が節減できるという技術革新的な住宅の提供は見当たらない。ソーラーを屋根に載せるなど各社取り組んではいるが、結果的にコスト高となり、決定打とはなってないのが実情だ。
積水ハウスはエコファーストの称号を持っているというアドバンテージを利用して、革新的省エネ住宅の開発を急ぐべきである。積水ハウスの欠点は、営業優先政策をとってきたため、技術陣軽視をしてきたと思われる点にある。この技術革新の著しい時代、優秀な技術屋の養成が急務であろう。
【野口 孫子】
※この連載は積水ハウスに対してエールを送るものであり、誹謗中傷を目的とするものではありません。
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