写真は今月18日、鹿児島県薩摩川内市にある九州電力・川内原子力発電所の「温排水」放出口そばの海岸に打ち上げられた「ダツ」という魚の死体である。フェンスの向こう側には同原発1、2号機が見える。
この海岸の砂浜には近年、ウミガメやサメの死体が頻繁に打ち上げられるようになったという。周辺の海で何かが起きているということだ。
国や電力会社側は、原発の安全性を繰り返し広報してきた。しかし、原発施設内の事故は枚挙にいとまがない。
川内原発でも今年1月に7名の死傷者を出す大きな事故が起きたばかりだ。(既報)
同原発における過去の事故例も確認してみた。
同原発では、1983年に1号機試運転中の自動停止にはじまり、営業運転開始後も、却材ポンプ変流翼取付ボルトのひび割れや、格納容器サンプ水位上昇に伴う原子炉手動停止など10件以上の事故やトラブルに見舞われている。どの事例も大惨事につながる危険があったことは否定できない。原発事故の恐ろしさは、旧ソビエト時代のチェルノブイリ原子力発電所事故が雄弁に物語っている。放射能汚染は現在も多くの人々を苦しめているのだ。
原発の怖さは事故だけではない。写真の魚の死体は何を物語っているのだろう?
鹿児島県内で、生物学の見地に立った原子力発電所の影響についての講演があると聞いて取材に訪れた。
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