「決して対岸の火事だと思わないでほしい」と川南町の牧場関係者が話していたが、これは県内の他の地域、そして県外、全国に声高に伝えて欲しいとのことである。口蹄疫に感染した牛や豚は母牛、母豚にはあまり症状は見られないが、生まれたばかりの子牛や子豚は免疫力がない為に生まれて数日後には死に絶えている現状がある。「死に絶えた豚は畜舎の外に積み上げられています。中にはカラスなどが食い荒らしているため、二次感染も当然ながら懸念されます。牧場主は食い散らかせられた豚の遺体と口蹄疫で皮膚がただれた豚に餌をやりながら過ごしている。それはまさに地獄絵図ですよ。感染拡大を防止するために外出禁止にされていることもあり、死体と病気の豚と一緒に過ごしている。牧場主たちの精神面も限界に来ている。早く殺処分しなければ」と関係者は語る。中には15日以上も死骸を放置せざるおえない状況の牧場もあるようだ。だが、豚や牛は食肉センターか獣医師の手によらなければ殺す事はできない。しかし、獣医師の数が足りない現状がある。「全国の獣医師の方々に応援で来ていただきたい」というのは県と同じ思いであるが、残念ながら獣医師の派遣に難色を示されたり、拒否されている現実もある。
【矢野】
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