＜本特集について＞
　2010年4月19日（月）、NetIB-NEWSは「激変時代の日本　地域自立の新ビジョン」シンポジウムをアクロス福岡にて開催しました。本記事では同シンポジウムのなかから（株）健やか総本舗亀山堂代表・小坂達也氏による講演内容を一部抜粋して紹介します。

　今日、話をしたいのが、「激変」というテーマです。
　皆さんは、今までやってきたことが、これからの時代は通用しないのではないか、と感じているのではないでしょうか。先日、日食がありました。あれには、ひとつの大きな意味があると言われています。古い太陽が沈み、新しい太陽が生まれるという時代の変革のときに、必ず起きると言われています。さらに、「2012年に地球が滅びる」という映画がありましたが、どうなのでしょうか。
　実際、地球は崩壊すると言われています。正しく言うと、地球そのものが崩壊するのではなく、皆さんが正しいと思っていた常識が、いわゆる思想が崩壊するのです。そういうふうに、世のなかがどんどん激変していくのです。
　龍馬の時代はどう変わっていったのでしょうか。最初に変わったのは庶民でした。そして、庶民が変わって藩を変えて、幕府を変えました。そういう時代があったわけです。
　今、まさしく幕末のそのときに、我々はいます。我々の戦後60年はどういう時代だったのかというと、強者の時代でした。強い者が正しく、強い者が正当化できる、そういう経済のなかで生活してきました。
　ところが、これからはどうでしょうか。経済も人口も右肩下がりのなかで、本当に強者が正しい世のなかのままいくのでしょうか。
　実際には、最終的に残るのは強者ではなく、協力した者だと言われています。これからの時代は弱者、つまり志のある者が手を結んで、協力してこの世の中を動かしていくという時代です。
　ですから、決してエリートが素晴らしいという時代ではありません。かつてエリートと言われた人たちが、リストラをされます。これからは、個人の力、個性を伸ばしていく時代です。特別な能力に応えられる質の向上を図れる人が生き残るでしょう。
　今回、どうやったら経済が良くなるのか、私なりの考えを述べたいと思います。
　中小企業が豊かになるには、内需をどう上げるかが重要になってきます。今、なぜ内需が上がらないのかというと、お金がないからではありません。1,200兆円という、世界で第2位の個人所得を日本は持っています。なぜお金を使わないのかというと、必要なものがないからです。今の時代、かつて三種の神器と言われたものは、皆さんすでに持っています。つまり、欲しいものを提供しなければ、何も売れない時代なのです。では、どうやって内需を拡大すればいいのかというと、人口を増やすことです。
　人口を増やすのに簡単な方法のひとつは、日本を観光大国にして、中国やアジアから人を入れるのです。そうすると、中国からの観光客の個人消費を上げることによって、利益が回り内需が高まります。ですから、まずは九州各地の知事が手を組んで、中国から迎え入れる体制を作るべきです。
　もうひとつ、数年前まで中国を蔑んで見る傾向がありましたが、今では中国の受け入れ準備があります。この中国人を認め、受け入れる準備をするという思想は、実は宝なんです。
　さらに、何も予算をかけなくても、日本が観光としてPRできる大きなものがひとつあります。それはサービスです。日本のサービスは世界一と言われていますが、中国も今後サービスに目を向けるときが来るでしょう。そのとき見本になるのは日本です。これをうまく提供できれば、きっと人口も内需も増やしていけると思います。
　そのために、我々が手を結び迎え入れる準備をすれば、経済を高める大きな力を発揮できると思います。

（おわり）

【小坂　達也（こさか　たつや）】
長崎県出身。かつて活用法がほとんど知られていなかった「にがり」に着目し、一時はインターネット通販で空前のブームを巻き起こした。現在では新商品開発にも取り組み、また長崎県の美男・美女や看板従業員、夢に向かってチャレンジしているといった様々な「人」を取材し紹介するNAPICO（ナピコ）という情報サイトを立ち上げ、地域経済活性化に一役買っている。
【会社HP】　にがりの亀山堂
【個人ブログ】　ダメ親父の帝王学・小坂達也
【取材記事】　ネット通販で天国と地獄を見た男

*記事へのご意見はこちら