<雇用創出の反面、問題も>
福岡県における09年10月の有効求人倍率は0.40倍で前年比0.18ポイント減少、同年7月~9月期の完全失業率は6.0%で前年比1.0ポイント悪化と、厳しい雇用情勢を迎えている。
そこで県は今年2月、「福岡県高齢者福祉施設等緊急整備計画」として2010年度と11年度の2年間で追加整備を実施すると発表。緊急整備分823床を整備することで、近年の施設整備に要する費用の実績を1床当たり約1千万円として約82億円の建設事業になり、介護職員224人、看護職員37人の261人の雇用創出を見込んでいる。
もともと、3年ごとに策定する「福岡県高齢者保健福祉計画」に基づいて整備は実施されており、現在の第5次高齢者保健福祉計画(09年度から12年度末)に緊急分を追加するかたちだ。
県の特別養護老人ホームへの入所申込者は、09年4月時点で18,400人となっている。そのうち、約3割が居宅で生活しており、施設入所の必要性・緊急性が高い「重度の者」は1,464人となっている。
緊急整備計画と第5次計画を合わせ、まずは11年度末までに1,926床整備することにより、今後も増加が見込まれる高齢者・要介護者の受け入れ先の確保が図られることになる。
介護・福祉業界の活性化で雇用を生み出す―この傾向は非常に良いと思うが、一方で職員の給料やモラルなどの問題もはらんでいる。実際に介護現場で働くケアマネージャーは、次のように語る。
「基本的に、本当に介護をしたいと思ってこの仕事に就く人は少ない。また、本当にそう思って入ってきた人でも、まわりの雰囲気に呑み込まれてしまって志を失ってしまうことが多々ある。また、給与の面でも厳しいものがある。私は年収400万円でかなりマシな方だ。200~250万円なんてザラにいる。300万円いけば良い方。こうしたなかで志がなければ、この職業を続けていくのは難しいだろう」。
【大根田 康介】
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