福岡市が運営費の大半を支出する体験型ロボット施設「ロボスクエア」を巡る闇は深い。
データ・マックス取材班は、元市職員・新川信一被告による詐欺、収賄事件とは別に、ロボスクエアが博多リバレインからTNC放送会館に移転した際の流れに疑問を呈してきた。
特に、約1億2,000万円にのぼる「電通九州」(福岡市中央区)の展示内装工事費については、いまだに詳しい内容がわからない状況だ。原因は、巨額な公金支出でありながら、契約書や工事費の内訳書が不存在だったことにある。
展示工事費として「ロボスクエア運営委員会」が、電通九州に支払った最終的な総額は117,814,783円。中央三井信託銀行からの移転保証金9,000万円の中から83,953,000円が支払われ、不足分を同行がロボスクエア運営委員会に返還した敷金(博多リバレイン分)や運営費からの繰り入れで賄った。
中央三井信託から返金された敷金は55,243,200円。この中から、新たな移転先であるTNC放送会館に敷金30,366,000円を支払い、余った24,877,200円と、同委員会の経費8,984,583円を加えて電通九州への残額支払いがなされたのである。
しかし、この巨額な支出の正当性を裏付ける文書は存在しない。電通九州は、「口頭」で仕事を受注していたというのである。契約書も結ばぬまま、1億円を超える仕事を請け負ったうえ、工事費用の明細さえ残していない。
下の文書は、平成20年5月に、電通九州がロボスクエア運営委員会に提出した契約の経緯である。
業務の委託はすべて「口頭」。つまり契約書を結ばないまま作業が進んだことになっている。この文書の内容について、検証してみたい。
*記事へのご意見はこちら