森硝子店の森重隆氏に、自民党推薦による福岡市長選立候補の顛末を取材してみた。
5月のある日、自民党の40歳前後の市会議員団と居酒屋で飲んだときのことだ。ある市会議員から「森先輩!!市長選挙に対しては、自民党には有力な候補者がいません。推薦候補者の一人に名前を貸してください」と頼まれたそうだ。何気なく「あーいいよ」と返事をしていた。
すると、6月になって自民党長老の市会議員二人が面談の申し込みにやってきた。会う義理はないのだが、森氏の先輩になる県会議員が仲介役になっていた。だから無下には断れなかった。
会うや否や、「森さん!!福岡市のために市長選挙に立ってもらえないでしょうか」と申し出があった。「冗談じゃないですよ」とその場で断るのも「無礼」と判断し、その場は「家族と相談して明日返事します」と答えて帰っていただいた。そして翌日、即刻お断りしたそうだ。
それ以来、1カ月半もの間「森さんが福岡市長選に立候補するのですか?」との問い合わせが殺到し、迷惑を被った。しかし、その程度なら笑ってすませられる問題だ。
ところが今回、KBCのキャスターを自民党が推したことを知って、森氏は大いに憤慨した。「どういうことだ!!あの分別あるはずの自民党長老議員のオヤジさんたちは、35歳のキャスターと俺とを同じ扱いをしていたのか。人気者であれば、候補対象は誰でもよかったのか!!」と、憤慨から怒り心頭の境地になったそうだ。
しかし、驚く。若造議員が先走ったのなら話はわかる。自民党市議団を牛耳っている古参議員がこの体たらくであれば、一体どうなるのだ。自民党よ。相手の面子も配慮しないのか。
森さんには慰めの言葉をかけた。「先輩の県会議員さんは、二人の妖怪に騙されたのです。コケにされたのです」と。すると森氏からは、「いや、それは充分にわかっています」という返事があった。
2019年、日本においてラグビーワールドカップが予定されている。日本ラグビーフットボール協会の要職にある森重隆氏は、2019年ワールドカップに向けて重要な役割をこなさなければならないことになっている。森氏の活躍の場所は、世界だ。
*記事へのご意見はこちら