~早くも次の代表選に向けて走り出した前原、岡田、原口、樽床ら第2世代
◆代表選の陰に「反創価学会宗教団体」の動き
激戦の民主党代表戦は菅直人・首相がなんとか逃げ切りそうな形勢だ。国会議員票は互角か、あるいは小沢一郎・前幹事長が上回る可能性があるものの、「地方議員票と党員・サポーター票が6対4で菅有利の場合、小沢が逆転するには国会議員票で40人以上の差をつけなければならないが、そこまでの差はないのではないか」(中間派議員)との情勢分析がその根拠となっている。
とはいえ、党員・サポーター票は衆院の小選挙区ごとに集計されるが、支部長である代議士さえ全員の名簿を把握してるわけではないことから、両陣営ともに読みきれていないのが実情。新聞各紙の予測も、「世論調査では菅支持が多いから、それを反映した結果になるだろう」という各支部からの聞き取りを集計したにすぎない。9月14日の投票日に決めるという中間派もまだ少なくなく、「票が開くまで安心できない」(菅支持派)という。最後の最後まで予断を許さない。
代表戦の展開は、「小沢ー鳩山連合」の結成で数に勝ると見られていた小沢支持派の国会議員を菅陣営が懸命に切り崩していくという流れだった。小沢陣営にとって誤算だったのは、「小沢チルドレン」と呼ばれる新人議員をまとめきれなかったことだ。民主党の1年生衆院議員144人のうち、親小沢勉強会「真の政治主導を考える会」に98人が参加しており、小沢陣営は「1年生で50人以上の差をつける」という戦略を描いていた。 ところが、選挙戦の序盤から、小沢チルドレンの地元事務所には、「私たちの家族は×票ある。これまでは○○さんを支持してきたが、小沢に入れるなら次の総選挙ではもう投票できない」という抗議の電話が集中した。
「抗議の内容はマニュアルがあるかのように全く同じ文面。組織的な動きであることは明らかだった。労組にはそこまでの結束力はない。反創価学会の宗教団体の一部が菅支持で動いていた」(小沢陣営の議員)と見られている。
実際、総選挙や参院選で民主党を支持した反学会の新宗教団体連合会(新宗連)の窓口となっているのは、菅陣営幹部の仙石由人・官房長官と石井一・前選対委員長。新宗連側には、「小沢政権ができれば再び公明党と連立を組むのでは」との警戒が強く、新宗連の組織内議員も菅首相の推薦人に名を連ねている。
こうした抗議電話と「首相が1年で3人も交代すれば解散はさけられない」(蓮舫・行政刷新相)といった発言によって、地盤の弱い新人たちに大きな動揺が走り、20人近くが菅支持に傾いた。
▼「菅続投」なら短命内閣、民主党分裂はない シリーズ一覧
・代表選の陰に「反創価学会宗教団体」の動き(1)
・「小沢ガールズ」をめぐる攻防(2)
・「次の代表選」をにらんだ票集め(3)
・「大臣手形」乱発のツケ(4)
・小沢「最後の巻き返し」(5)
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