7日、福岡市長選に無所属で立候補した元佐賀市長・木下敏之氏(50)が、中央区天神の都久志会館で総決起大会を開催した。まず初めに、「維新の会ふくおか」代表で、NPO法人・CMC(カンボジア地雷撤去キャンペーン)代表の大谷賢二氏があいさつを行なった。そのなかで大谷氏は、木下氏を推す理由を「市民の命を守る唯一の候補者は木下さんしかいない。若者の就職、高齢者の再就職、老人の孤独死、自殺の問題は全て命の問題だ」と述べて、同氏を強く推した。
次に、木下氏を支持している青果市場やこども病院患者家族の会の代表者が演説を行なった。後者は、現職・吉田宏氏の1期4年を公約違反と批判。木下氏が公約に掲げる「こども病院の人工島移転中止、撤回」を支持した。
続いて行なわれた木下氏の演説では、事業仕分けで財源を確保し保育所や老人ホームの建設に充てることや、公共事業を増やすことで、景気回復を促し、市民の給与を増額させることを2本の柱として、短期的な目標に据えた。また、長期的な目標としては、「企業の本社やアジア統括本部を、法人税を条例で減免することで誘致し、支店経済からの脱却することで、学生の就職難の解決を図りたいとした。
そして、この決起集会には、元NHKアナウンサーで現在はテレビ東京解説委員の西村晃氏が、木下氏の応援に駆けつけ演説を行なった。まず、西村氏は、同日午前中に福岡市の各地で2分間の演説を90回も行なっていることを、かすれた声で明かした。
同氏は、吉田氏が自らの実績として挙げている1,200億円の市債削減を、「税金は何もしなくても入ってくるのだから、何もしなければ借金は返せる。吉田氏は何もしなかったと言っているようなものだ」と切り捨てた。そして、木下氏については「吉田さんは元・解説委員で高島さんは元・アナウンサー。私はどちらの気持ちもよくわかる。解説委員やアナウンサーというマスコミ人では組織を動かせない。木下さんは、行政組織を動かすことが出来る行政人だ」という、両職を経験している西村氏ならではの論調で会場を沸かせた。さらに、「『木下さんは元・佐賀市長なのに、何で福岡市長に立候補するのか』という声を聞いたことがあるが非常に残念。今、サッカー日本代表の監督はザッケローニ。グローバルな社会のなかで、たかだか隣の県じゃないですか。優秀な人物がトップに立てば良いんです」との内容を主張、会場から拍手を浴びた。
総決起大会終了後すぐに、西村氏は木下氏と別行動を行ない、数人の運動員と街宣車に乗り、木下氏の応援に出かけて行った。木下氏は来場した市民一人ひとりと握手を交わした後、報道陣の質問に答え、「選挙戦の手応えはどうか」との問いに対して「手応えは十分にあります」と回答し、自信を覗かせた。
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