<熱を帯びる支援者>
内海氏の熱心な支持者は、選挙期間の終盤に入り、いっそう熱を帯びてくる。12日夕には、高島氏の決起集会直後に至近距離で街頭演説を開始。集まっていた聴衆のなかから数十名が歓声をあげて、内海氏のもとへ集まった。同所を車で去ろうとしていた麻生太郎元首相は「これもテロか」(記事【麻生太郎氏「これはテロだ」、談合疑惑で高島氏陣営にダメージ】参照)と、驚いていたとか、いないとか。熱狂する支持者の先頭にいたのは、内海氏が勤めていたNR JAPAN株式会社の代表取締役・盧 在洙(ノ ジェス)氏。同社については、その活動内容に対してネット上でさまざまな批判が飛び交っている。風評が内海氏の選挙結果に影響を及ぼしたことは否めない。だが、当然のことながら、そうした事情を知らない人たちも大勢いる。支持が伸びなかった理由について、自身の活動を振り返って総括できなければ、今後、政治活動を続けるとした場合、その道が切り拓かれることはないだろう。
一方、飯野氏の支援者も熱を帯びた。「最後くらい、まともな選挙をさせてやろう」と、友人、知人が休み返上でひと肌脱いだ。今まで沈黙を守っていた選挙カーにボランティアのウグイス嬢が乗った。応援弁士まで現れ、市内各地で今回の選挙戦で初となる街頭演説を母校の九大前、修猷館高校前を含む市内各地で実施した。
はじめて見る飯野市長候補に対し、車から手を振る市民、駆け寄ってビラを求める市民が続出した。そして、最後の訴えに選んだのは、飯野氏の活動拠点である早良区の西新・藤崎の商店街。商店の店主は店先に出て激励、海外留学生も応援に駆けつけるなど賑やかな練り歩きを行なった。
互いに1万票にも遠く及ばない結果だが、14日間の選挙運動を経たうえで『35票の僅差』に終着した結果が意味するものは何だろうか。飯野氏と内海氏、それぞれの活動から選挙運動や民意について考えるべきところは少なからずあるように思える。
【山下 康太】
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