警固公園で10時から行なわれた現職・吉田宏氏(54)の出陣式には、松本龍環境大臣をはじめとする福岡県選出の民主党国会議員、同党の福岡県議会議員、福岡市議会議員が参加した。また、応援演説には吉田氏を推薦する国民新党の副代表・自見正三郎金融・郵政担当大臣や佐賀県武雄市長・樋渡啓祐氏も参加した。
応援演説に立った樋渡氏は、「桃栗3年、柿8年、市長は12年。(2期目の選挙で)なぜ他に立候補者が出るのか。私は、市民病院民営化の問題で『武雄市民にこの問題を問う』として辞職した。それから再選するのは本当に苦しかったが、その時、吉田夫婦に支えてもらった。そのため今日は応援に駆けつけた。福岡市民の一人ひとりの力と福岡市民の良心、常識を(吉田氏)与えて頂きたい」と、呼びかけた。
一方、吉田氏は、「この4年間で、福岡市民が今どのような暮らしをしているのか、と考えるのが市長の仕事だと学んだ」としたうえで、1,200億円の市債残高や市職員の削減を"自らの実績"として強調。また、「厳しい財政状況ではあったが、教育にはしっかり予算を当ててきた」としたうえで、少人数学級の実現、学力向上、不登校児の減少(1,400人から1,100人台へ)を成果にあげ、2期目も教育対策に力を入れる考えを示した。
また、九州新幹線の開通に伴い「九州の全てを福岡に集め成長していく」とし、「大きく発展するアジアのエネルギーを、福岡がまず一身に受け止め、日本に漂う閉塞感をこの福岡から打ち破っていく」といったビジョンを示した。そのうえで、「今の福岡を深く理解し、前に前に進めるのはこの私だけ」と、訴えた。
この後、吉田氏は福岡市7区を回り、各地で第一声を行なった。午後2時から行なわれた大橋駅前の街頭演説で、吉田氏は、港・空港・道路などの必要な整備をきちんと行なったうえで、市債削減を更に進めていく考えを示した。また、こども病院の人工島移転については「苦渋の決断をすることも市長の責任」とし、これからも推進していく立場を明言した。吉田氏は「1期4年の実績がある、不十分なところもあった。しかしその経験を生かして2期目をしっかりやりたい」と締めた。
【長嶋 絵美】
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