新人・高島氏が現職を破り、当選を決めた福岡市長選。有権者はどう見たか。地元の経営者を中心に電話取材を行ない、市長選に対するご意見を集めた。
<機械製缶プラント業社長 50歳代>
自民党市議団が珍しく熱心に高島氏を連れてまわっていたので「勝つ」という感触を得ていた。福岡市民も思い切った選択をしたものだ。ただ、福岡都市力は下降線に入っている。若者の人口も減り始めていることは忘れてはならない。高島氏が「アジアで一番、元気な都市にする」と叫んでも、具体的な政策を強力な指導力を発揮して実現しないと先行きは真っ暗闇になる。新市長が自前のカラ―を打ちだせば必ず軋轢が生じる。自民党の老人議員と衝突しないことを願うだけだ。
<不動産管理 38歳>
高島氏に関しては具体性が見えないというのが正直な感想。アジアNO1都市と言われてもどのように具現化していくのかが、短い選挙戦ということもあるだろうが、有権者には浸透していないと思う。しかし、若さに対する期待というものはあり、新発想の動きが出てくることを皆注目していると思う。その想いに素早く応える「若さ」を見せて欲しい。個人的には、木下氏のマネジメント能力に期待していたのだが、同氏には今後も政治の世界で生き抜いていって欲しいとエールを送りたいですね。
<健康食品製造・販売 60代男性>
高島新市長の祖父が政治家なので、そういう環境には育ったのだろうというので血筋かなと思っている。ただ、アナウンサーをやっていたとはいえ、政治家としては未知数だろう。今後、子供病院移設問題も含めて、周囲とどう連携をとっていくかがポイント。
今回の選挙は、吉田氏の失点というより、民主党に対するぼんやりした不安が有利に働いたのではないか。保守の強い地盤ではあるし、議会対策を考えれば吉田氏よりも期待できるのかもしれない。
福岡市にはもともと地元育ちが少ないため、郷土愛を抱いている人は少ないのではないか。長いものに巻かれろという気持ちが強いだけ、組織力のある自民党になったことで(政治に対して)燃え上がりやすくなるのではないか。
(つづく)
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地元経営者による福岡市長選・総括(下)
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