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副島隆彦の2011年世界の動きと日本経済の大予測(3)カネはあるのに銀行で止まっている
特別取材
2010年12月23日 08:00

副島国家戦略研究所(SNSI)主宰 副島 隆彦 氏

 世の中、たったの10年、20年で変わっていく。デフレ不況とは変な言葉だが、これによって売り上げが半分になった企業もある。日本はまだまだデフレスパイラルが続くだろう。なぜか。アメリカのくびきから逃れられないからだ。

副島 隆彦氏 セミナーの様子

 金利は、本当は上げなければならない。中国も、インドも、ブラジルも、ロシアも、オーストラリアでさえも、金利を上げた、もしくは上げようようとしている。今、金利を上げることができる国は、偉い。水ぶくれの体を引き締めようとしている。
 日本はバカだから、アメリカの手先だから、金利を上げずにジャブジャブマネーを生みだしている。しかも、そのカネは銀行までで止まっている。
 銀行の本音は、カネは貸したいが、返してもらえないから貸したくない、ということだ。資産がしっかりしている人には、「金利1%でいいから、カネを借りてください」と言ってきたはずだ。一方で、貸したくない相手には「借金を早く返して」と言って貸し剥がしする。これが金融だ。汚い金融鬼がはびこっている日本は、うっ血した状態になっている。
 こんなのは、元気な金融ではない。一生懸命、設備投資して、お店を出して、人が集まって、そこでモノを買ってカネがぐるぐる回るといった、きれいで立派なカネの使い方をしているところが、どこにあるのか。日本はジャブジャブマネーがあるのに、若者にはカネが回らない、かわいそうな国なのだ。
 国債というのは、10年ものが指標だ。ここが非常に大事で、今、米国債の長期利回りが上がり出している。これが危険だ。やがて国債が底をついて、金利が上がっていく。そして国債の価格が暴落し、誰も引き受けてくれなくなるだろう。
 日本では、日本国債1,000兆円のうち、95%は日本の資産家、銀行、生保などが持っている。だから日本は、いくら借金をしても、国民がそれを支えているから大丈夫だ。彼らは絶対に日本国債は売らない。外国は日本とは違い、その国の国債の半分くらいは、ほかの国の人間が持っている。
 とは言え、アメリカの国債が暴落すれば、日本も恐ろしい事態になるのは間違いない。

(つづく)

<シリーズ一覧>
「副島隆彦の2011年世界の動きと日本経済の大予測」
(1)2012年に向けて株価は暴落していく
(2)本当のことを知ろうとしない日本人
(3)カネはあるのに銀行で止まっている
(4)世界大恐慌が始まり米国が没落する
(5)経営者が生き残るには人を育てる

【2010年12月19日「(株)データ・マックス」特別講演会より】

<プロフィール>
副島 隆彦(そえじま たかひこ)
副島 隆彦(そえじま たかひこ)1953年、福岡市生まれ。本籍・佐賀市。早稲田大学法学部卒業。銀行員、代々木ゼミナール講師、常葉学園大学教授を歴任。政治思想、法制度論、経済分析、社会時事評論などの分野で、評論家として活動。日米の政財界、シンクタンクなどに独自の情報源をもち、日本人初の「民間人・国家戦略家」として、日本は国家として独自の国家戦略を持つべきだ、と主張している。副島国家戦略研究所(SNSI)主宰。近著に『日米 地獄へ道連れ経済』(祥伝社刊)、『中国バブル経済はアメリカに勝つ』(ビジネス社)、『悪魔の用語辞典2 日本のタブー』 (KKベストセラーズ)、ほかに『恐慌前夜』(祥文社刊)、『暴走する国家、恐慌化する世界』(佐藤優氏との対談、日本文芸社刊)、『新たなる金融危機に向かう世界』(徳間書店刊)など著書多数。


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