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直撃インタビュー

気鋭のジャーナリスト・上杉隆氏が語る2011年の日本(4)
直撃インタビュー
2010年12月31日 08:00

不自由の鎖につながれた日本 立ち遅れている政治とメディア

<アジアのなかの日本 韓国にならうべきこと>

 ―これまで北朝鮮、韓国、中国などのアジア情勢を見てこられたなかで、今後日本とそれぞれの国との関係はどのようになっていくと思いますか。

上杉 隆氏 上杉 まず日中関係について、尖閣諸島問題に連なる反日デモについては、03年のときの反日デモとはまったく違います。あのときは、90年代以降の江沢民の反日教育を受けた世代が首謀した暴力的なものでしたが、今回は北京や上海などの都市部では起こっておらず、情報量が不足している地方部でのデモでした。

 もう少し実態を見てみると、反日デモの半数以上が反共産デモだったわけです。デモが拡大したら抑えられないと見られた都市部では、実はすでに鎮圧されています。ところが、まだ抑えられる、情報リテラシーが低いと政府に見なされた地方部のデモはそのままにしておくわけです。怒りが政府の方に向いたときにストップする。だから、単純な反日デモかというと、そうではありません。

 そこを日本が読み違えているわけです。また、外務省の発信の仕方にも問題があるのでしょうが、やはりマスメディアがその読み違いに気づいても後から修正しないという悪い癖があることが大きいですね。事実が伝わらないわけですから。

 菅総理は「日本の盧武鉉」と言われているような人ですが、実態はそれ以下です。盧武鉉自体は03年の選挙でネット世代に後押しされて登場したものの、実際に政権をとってからは政治的にアマチュア過ぎるという批判のもと、結局5年で終わってしまいました。だが、その間、記者クラブの解体などの政策は実行しました。

 ただ、菅総理は盧武鉉とは違って、記者クラブ開放はできません。韓国は03年当時、ネットメディアに開放したことを契機に記者クラブが崩壊し、放送と通信がうまく融合できたわけです。

 ところが日本は、それから7年経った今も開放と融合ができていません。いまだに通信と放送を分離して別々の業界にしてしまっている行政およびマスメディアは世界的にも珍しく、この前近代的な考え方が日本の成長を阻害しているわけです。世界では25年くらい前にしたことを、日本はいまだに変えていないわけですから。菅政権では、これは変わらないと思います。

 その意味で、韓国には見習うべきところがたくさんあるのに、日本がまったく見ていないというか、先を越されるのを指をくわえて見ているだけですね。日韓は北朝鮮やアメリカとの関係も影響しますから、単純に二国間だけで推移するわけではありませんが、現状ではそのような感じです。

 北朝鮮に関しては、砲撃の件も含めて後日改めて検証します。

(つづく)

【大根田 康介】

<プロフィール>
上杉 隆(うえすぎ たかし)
上杉 隆(うえすぎ たかし)1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。 政治、メディア、ゴルフなどを中心に活躍中。著書に『上杉隆の40字で答えなさい』(大和書房) 『結果を求めない生き方』(アスコム) 『記者クラブ崩壊』(小学館) 『ジャーナリズム崩壊』(幻冬舎) 『官邸崩壊』(新潮社)など多数。 ツイッターアカウント @uesugitakashi

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