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経済小説

天国と地獄の狭間~新興デベロッパーの倒産から再出発までの600日の記録 (19)
経済小説
2010年12月28日 08:00

そこまでを3月中にやってしまったらどうだろうか... まず、問題点として、この物件は土地代で6億円の融資を受けていたため、決済時にも4億5,000万円だけを現金で受けとっても、それを銀行に返すだけでは、銀行の抵当権を抹消できないので、売却ができない。そこで、やむを得ず手持ち資金を1億5,000万円追加して銀行に返済して抹消してもらうことになる。これは、まあよい。そして、回収が手形になるなら、それを損失覚悟で割り引いて資金化してしまったらどうだろうか。そこまでを3月中にやってしまったらどうだろうか。

 このことを会計士に相談した。

 会計士曰く、
「不動産市況の現状を考えると、そのような方法ででも現金化を優先するべきではないでしょうか。手形割引まで3月期に間に合えば、手形割引損も大した金額にならず、リスクは偶発債務に関する注記だけになります。もし、3月期末に受取手形が残ってしまったら、指摘事項にはなると思います。でも、やってよろしいと思います」。

 これで何とかなることを祈りつつ、黒田社長にその報告をした。また、できれば6億円を現金で受け取れれば、抵当権抹消のための手元資金がいらないので、助かりますが、と付け加えた。
 しかし、この分譲会社は、次には交換条件として●●の物件を買ってくれ、といってきた。それは受け入れ難く、結局、この分譲会社に大分ホテルを売却する可能性は消えてしまった。

〔登場者名はすべて仮称〕

(つづく)

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