中国全国人民代表大会 代表 金 会慶 氏
西日本国際教育学院 理事長 宮田 道郎 氏
尖閣諸島問題など日中間の外交上のトラブルは何かと絶えない。しかし一方で、ビジネスの世界ではそうした動きとは裏腹に活発な交流がなされている。今後、国民レベルで日本と中国はどのように付き合っていけば良いのか。今回、中国で全国人民代表大会代表を務める金会慶氏と西日本最大の日本語学校を展開する西日本国際教育学院理事長の宮田道郎氏に対談していただき、安徽(あんき)省を中心とした将来の日中関係のあり方について議論していただいた。
<安心感を与えたい>
―学生をすばらしい企業人に育てようと頑張っていらっしゃいますね。
宮田 福岡で認められる学校になるには、学生が地域に溶け込み、地域住民に頑張っている姿を見てもらうことが大事だと思っています。私は学生と一緒に6年前から福岡三大祭りのどんたくのパレードにも参加しています。また、地域住民と清掃ボランティアに参加したり、小、中学校の課外事業に参加し国際交流をしたりと、いろいろな地域の事業に参加することで、地域住民との心の交流につながればと考えているところです。こうした小さな積み重ねが、日中間の交流の架け橋につながっていくと考えています。
私たちは常に「学生たちの日本の親」でありたいと思っています。当校に来て、卒業する頃には、この学校で良かったと思われるような、真の意味での温かい教育をし、必ず学生たちを成功させて親元へお返しするようにしております。
―来年5月のシンポジウムを含め、金さんは今後、ビジネスにおいて日中間でどのような関係を築いていこうとお考えですか。
金 まず時間が必要ですね。10年かかるか100年かかるか分かりませんが、隣国同士の交流は絶対に必要で、両国民ともにそれを感じています。中国に進出する企業はますます増えていきますが、不安感やリスクなどはまだまだあるでしょう。そうした企業に私が言いたいのは、まず現地を見てほしいということです。そうしていただければ、我々としても安心感を与えられます。
新しく設立する協会の仕事のひとつとして、どのように進出するか悩む企業に対して安心感を与えることがあります。将来は進出のための手続きから、トラブル解決までサポートできればと思います。
日本の企業はトラブルを恐れているし、中国では想像もつかないようなトラブルも起こりうるので、日本の企業を安心させることができるよう、支援できるコンサルタントとしてがんばっていきたいと考えています。
宮田理事長も、最初は不安感でいっぱいだったと思います。これから中国進出を考えている企業が持つであろう、その不安感を取り払ってあげたいと思います。今はそれをやるチャンスです。私は、民間企業に向けたシンポジウムの開催で支援していきたいと思っています。
【文・構成:杉本 尚大】
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