銀行法違反(検査忌避)容疑で警視庁の強制捜査を受けた日本振興銀行は、2010年9月中間決算で1,500億円規模の債務超過に陥る恐れがあり自力再建を断念、金融庁に破綻申請を行った。
これにともない、同庁は経営破綻と認定し、預金を一定額までしか保護しないペイオフを始めて発動したのである。
参考 貸出残高:(10/3末)4,219億円
預金残高:(10/3末)5,932億円
<日本振興銀行福岡支店でも預金の払い戻し開始>
経営破綻した日本振興銀行は、9月13日午前9時から、本店など全国16店舗で営業を再開し、戦後初のペイオフ発動で保護される元本1,000万円とその利息までの払い戻しの受け付けを開始した。同行福岡支店には、午前9時30分現在、約10名が払い戻しに来店、50才台の女性によれば、「本日払い戻し手続きをしても最短で9月21日しか受け取れないという説明を受けた。同行から、今年5~6月DMで預金を1,000万円以上にしませんかと言う案内がきたが、増額しなくてよかった」とほっとしていた。店内は、混乱もなく平常通りの営業が行なわれた。
<日本振興銀行とは>
設立当初は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の中小企業を対象に無担保で第三者保証不要の融資を主に手掛けていたが、一般の銀行に比べて高金利とされていた。2005年1月1日、取締役の辞任が相次ぐなか、創業メンバーで取締役会議長(社外取締役)の木村剛が自ら社長に就任したが(その後取締役会長)、10年4月30日金融庁より銀行法に基づく報告命令が出され、同年5月10日取締役会長を辞任している。同年5月27日金融庁より行政処分を受け、7月14日木村元取締役会長ら元役員が銀行法違反(検査忌避)容疑で逮捕されている。
*記事へのご意見はこちら