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天国と地獄の狭間~新興デベロッパーの倒産から再出発までの600日の記録 (33)
経済小説
2011年1月11日 14:43

しかし、これが時に企業と会計士の馴れ合いを呼び... 会計士といえども、クライアントから仕事を請け負うビジネスマンである。会社に対するけん制機能といいながらも、実際には様々な形で会計士は企業の疑問に答え、必要な相談に乗りつつ、クライアントに指導助言を行っている。クライアントがよりきちんとした会計処理を行ない、迅速に数値を把握することによって適切な対策が行なわれ、統制のレベルが上がり、結果としてクライアントの業績が向上してゆくことが、会計士のモチベーションの源となる場合が多い。
 しかし、これが時に企業と会計士の馴れ合いを呼び、化粧品大手カマボウの粉飾決算事件では、ついに大手監査法人の一角が消滅するに至ったことは記憶に新しい。
 
 このような事件が相次いでいるため、金融庁は年々監査法人に対する締め付けを強めており、これに応じる形で会計士による監査手続きもまた年々厳格になりつつある。たとえば日常的に行なわれているクライアント企業に対する指導・助言についても、監査人としての立場との相反の問題から、コンサルティングの兼業は禁止されている。

 しかし、そのようななかでも、何とかクライアントの決算を審査会に通せるようにしたい。そう願っての経営者ミーティングであったが、会計士としても、DKホールディングスの状況は予想以上に厳しいと実感し、今後の物件の売却による資金繰り継続の根拠を得なければ審査会が厳しい、と感じたことであろう。

 結果からいえば、DKホールディングスの平成20年3月期決算は、「GC注記」なしで公表できた。しかし、例年の審査会では、会計面の比較的詳細な点についてチェックが入っていたところ、そのようなことはほとんどなく、ただひたすら、企業の継続性について議論がなされた、とのことであった。決算でそのような状況であれば、6月末に締めて、8月14日までに発表する平成21年3月期第1四半期については、さらに厳しい状況になるであろうと予想できた。

〔登場者名はすべて仮称〕

(つづく)

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