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天国と地獄の狭間~新興デベロッパーの倒産から再出発までの600日の記録 (35)
経済小説
2011年1月13日 11:13

<名古屋・大分の土地を売る>

会社は「5月に売れるものは土地のまま売る」という方針に... 会社は「5月に売れるものは土地のまま売る」という方針に転換し、相当に工事が進み、竣工してから売却したほうが損失が少なそうな2件以外のすべての工事をすでに停止していた。同時に、工事ストップ時点ですでに購入意向が寄せられていた名古屋と大分の土地を、この頃相次いで売却した。

 大分の土地は、土地仕入部門に対して、当社がこの土地を仕入れた際に競合した先から、仕入値と同額で買いたい旨の要望が寄せられていたため、すぐに売却した。売却時点で設計費用などの3千万円が無駄になるが、止むを得なかった。
 名古屋の土地は、岩倉社長のところに購入意向が入ってきていた。この土地は、名古屋エリアで不動産ファンドを手がけていた運用会社からの委託による開発であったが、この会社はすでに倒産していた。ファンドバブル末期の非常に割高な開発であったのに加え、仕入資金を出していたのが、当社と初取引の名古屋の地銀であったことから、融資回収の要求が非常に厳しく、私としてもこの物件を、優先的に処分せざるを得なかった。
 私としては、他にもある比較的小振りな土地を、各役員が親密にしている顧客に頼んで引き取ってもらうことを望んだが、営業としても薦めづらかったのか、明確な回答は得られなかった。

〔登場者名はすべて仮称〕

(つづく)

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