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直撃インタビュー

HISで学んだ経営観 ベンチャー企業に必要なもの(3)
直撃インタビュー
2011年1月 6日 08:00

ビッグ・フィールド・マネージメント(株) 代表取締役 大野 尚 氏

<コアコンピタンスが必要>

 ―ご自身もバックパッカーとして110カ国以上回られたそうですね。そんな大野さんから見た福岡について、感じるところをお聞かせください。

ビッグ・フィールド・マネージメント(株) 代表取締役 大野 尚 氏 大野 福岡は、私が生まれ育った街ですから大好きです。多くの人を引き寄せる力はあると思います。しかし逆に言うと、受け入れやすいが飽きやすいという側面があると思います。どうしても、東京から来たような文化が根付きません。また老舗のデパートがあっても、新しいもの好きだからそちらにいってしまい、昔の文化がすたれています。

 ロケーションとしては、中国・韓国・台湾といったアジア諸国に最も近く、さまざまな文化の最初の入り口でもあるわけです。その意味で、もっと発展してもいいのかなと思います。

 海外に行ったとき、福岡を紹介するのですが、知る人ぞ知るという感じです。オランダと同じくらいのGDPを持っているはずなのに、同じように動けていない。もっとオリジナル性や福岡自身のコアコンピタンスが必要です。福岡を語るとき、具体的にこんなものがあってこんなところがすごい、という要素がないのです。そこまでのものを真剣につくりだす必要があります。

 ポテンシャルはあるけれども顕在化しない、それが今の福岡です。

 ―顕在化しない理由とは。

 大野 それはやはり教育にあると思います。大学はあるけれども、本当の意味で魅力的な大学がない。何か1つのことをしっかり教える、アカデミックなものがまだまだ欠けていると思います。

 また、支店経済で東京・関西から来ている人たちが多く、そうした人の流動性が、1つの文化がなかなか根づかない要因だと思います。

 町人文化の街と先端文化の融合性がないのも失敗ですよね。都市の協調性もない。トランスポーテーションがままならない。人工島は交通が不便ですし、キャナルシティに地下鉄を通しておけばもっと良かったはずです。これは、行政と民間との将来的なことを考えたうえでのアライアンス関係が成り立っていないことが大きな要因だと思います。

 ―福岡市長選で市長が変わります。福岡は変わるでしょうか。

 大野 私は、新市長は期待外れであってほしいと思います。どういうことかと言うと、今回は知名度と与野党の対決のなかで当選したような感じを受けます。行政経験のない高島氏に仕事ができるのかと感じていらっしゃる人もいるでしょう。その意味で、その皆が思っている不安の部分を裏切ってほしいなと思います。そこが一番だと思います。若さと未経験のなかで、誰かに振り回されるのではなく、しっかりと今の自分の置かれた位置を勉強して、しっかり100万都市のリーダーとして活躍してほしいですね。

(了)

【文・構成:大根田 康介】
【取材協力:エンドライン(株)】

<プロフィール>
大野 尚(おおの ひさし)大野 尚(おおの ひさし)
1958年福岡市に生まれる。専門学校卒業後、定職に就かず世界を放浪。帰国後無職で結婚。妻に養ってもらいながらの日々を経て、肉体労働、音楽関係、コック修行など、様々な仕事を経験したのち、当時まったくの無名だった現エイチ・アイ・エス創業者の澤田会長と出会い、同社に参画。マンションの一室から始まった九州・中国エリアを100数十億にまで伸ばす。退社後、2004年に自社を立ち上げ、経営コンサルティング、講演、セミナー等で中小企業経営者に向けて辛口のアドバイスをする傍ら、自身の経験を元に積極的にニート・フリーター、学生の力になるべく活動している。


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