昨年12月21日、日本最大のツルの越冬地である鹿児島県出水市の「ツルの渡来地」で、国の特別天然記念物のナベヅル1羽が鳥インフルエンザにかかり死亡。今年1月26日には「ツルの渡来地」に隣接する出水市高尾野の養鶏農家の鶏が鳥インフルエンザに感染したことが発覚、それから数日が経過した。
養鶏農家から半径10km圏内が移動制限区域となっていたが、月末になって県の検査結果がすべて陰性だったことがわかり、現在、事態は鎮静化の方向に進んでいる。
なお、養鶏農家の感染が発覚した26日、鶏の感染確認を受けて制限区域が設定された。筆者が29日にツルの渡来地を訪れたときには、「関係者以外はご遠慮下さい」との看板が掲げてあった(写真参照)。
ただし、現地は厳戒体制というわけではなく、ただ看板が掲げてあるだけ。"禁止"ではなく"遠慮"という言葉づかいに、若干の違和感を覚えた。
今回の鳥インフルエンザの発生源については、前述のツルの渡来地という説もあるが、実際のところはわかっていない。しかし、鎮静化に向かっているとはいうものの、現地のあまりにも手薄な警備体制に拍子抜けしてしまった。
【矢野 寛之】
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※記者は現地取材後にスーツをクリーニングし、靴と自動車マットの廃棄処分を行なってから帰福しています。
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