<第1四半期の決算発表>
第1四半期決算の数字を確定させるまでの経過はすでに述べた。その後、山陽監査法人の特別審査会(監査法人として、意見書を出すか否かを慎重に検討するべき案件のみが審査される)で、GC注記の内容を含めた四半期決算が了承され、これで法定の8月14日までに決算発表ができるようになった。これまでに取引所規則に基づく四半期業績の概要開示は、各社ともおおむね四半期終了日から1カ月以内に出ていたが、今回の四半期については大半の会社が慎重になり、1カ月以内に発表をしている会社は少なかった。
しかし、8月の第1週になると続々と決算発表が始まった。そのなかでも不動産会社の決算発表は遅れがちであった。他社も当社と同様に苦労しているのであろうと感じた。
私は、今回の四半期決算は非常な困難が予想されたため、当初より法定期限ギリギリの開示する旨取引所に申し出ていた。それは予想通りであったが、それだけでなく、普段の決算開示では取引所は、ごく形式的に書式を点検してうえで差し支えなければ、送信した決算短信を開示するように計らってくれていた。しかし、今回の四半期決算の発表に当たっては、四半期決算短信はごく普通のチェックでデータを受け取ってもらったものの、同時に発表する「決算差異」のリリースについては、大変苦労させられた。
当日は、お盆休み中でもあり、私は午前10時に開示を済ませ、その後、夕方まで報道機関からの取材のために事務所に詰め、その後は早々に帰宅しようとしていた。しかし、「決算差異」のリリースについては、投資家に対する説明不足をいくつも指摘され、何度もやり直しをさせられてリリースを開示できたのは18時以降であった。
〔登場者名はすべて仮称〕
(つづく)
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