<もはや中小は 海外に出るしかない>
これから不動産投資環境はどうなっていくのか。投資マンションを企画・販売する、福岡のある経営者は「去年まで投資案件の話はピタリと止まっていた。だが今年に入って、急にそうした話が増えてきた」と語る。
リーマン・ショック以降、金融の引き締めや不動産会社の倒産などで不動産投資環境が急激に厳しくなったのは記憶に新しい。ディックスクロキなどに代表されるようなSPCによる大型物件の建設モデルが崩壊し、今生き残っている各社も資金調達に苦慮していた。新しい物件が建設されるたびに「きちんと建築代金が払えるのか」といった話がたびたび聞かれていた。
今年に入って、そうした状況から回復の兆しが見えているようだが、「当社のような地場で後発の企業に入ってくる話は、すでに地場大手などで条件が合わずにはじかれた、いわく付きのねまわった案件ばかり」(前出の経営者)という。
目ざとい企業はすでに、「福岡の市場だけでは成長は厳しい。中国やシンガポールなどに投資の活路を見出さなければ...」(前出の経営者)といったように、海外へと目を向けている。「アジアの玄関口」と称して久しい福岡の地こそ、そのけん引役となるべきではないだろうか。
【大根田 康介】
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