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チャイナビジネス最前線

青島郊外で聞こえる庶民の息づかい~中国の素顔(1)
チャイナビジネス最前線
2011年2月24日 15:50

 中国山東省青島市郊外のホテルで、日々変わり行く中国を観察している現地滞在のフリーライターがいる。福岡と青島を定期的に行き来している彼に、リアルな中国の今をレポートしてもらった。

 元々ドイツの植民地で、ビールが有名な青島市。都市圏の人口約700万人、市内だけでも250万人ほど。人口密度は1平方メートルあたり650人にも及ぶ。適度に都会で、適度に田舎で、ちょうど福岡市に似ている。
福岡空港から直行便で約1時間半、ちょうど東京に出張で行く感覚で気軽に行くことができる。市内中心部では福岡市天神にいるかのようにショッピングセンターや高級ホテルが軒を連ね、日本方式のスーパー・ジャスコもあり、生活するのには不便を感じない。

青島郊外の風景 しかし、車で30分ほど走り、一歩郊外に出ると、日本の昭和初期にタイムスリップしたかのような光景が広がる。雑誌やテレビで報道される都心の光景とはちょっと違う中国郊外の一般的な姿が見えてくる。高度成長を遂げる近代的ビル群のすぐとなりで、こうした庶民の息づかいが聞こえてくるのだ。

 平日の朝、普段から外で朝食をとる。テントのなかでの朝食はスープ、お粥、水餃子、卵料理などメニューは豊富で安くてうまい。ただ、とても衛生的とは言えない。もちろん水道はない。こうした屋台では、輪ゴム付のラップを食器にかぶせている。日本で出前を注文すると、料理の上にかぶせているあの輪ゴム付ラップだ。ラップをかぶせた食器の上に、料理を入れ、食べ終わると輪ゴムをはずしてラップごと捨ててもとの食器に。たしかに、貯めた水で中途半端に洗うよりはよっぽど衛生的かもしれないし、合理的だ。この光景に遭遇してからは、筆者の弁当は食材の下にラップを敷くようになった。弁当を食べ終わって、弁当箱を持ち帰って洗う手間がかからない。バリバリになったごはん粒をこすり落とす必要もなくなったので、水も洗剤も省力化できている。

 中国に事業を展開しようとする際、特に製造工場や加工工場など広い敷地を必要とする業種は、中国の地方都市といえども市内中心部に工場を建設することは不可能に近い。そのため、都心部からちょっと離れたインフラ整備できている場所を本拠地と選ぶことが多い。中国事業を成功させる重要な要素のひとつに、現地に赴任する人材とのコミュニケーション能力が必要とされる。このコミュニケーション能力には単に交渉力や語学力だけではなく、現地の風土や習慣にとけ込める地域コミュニケーション能力が必要となってくるだろう。ホテルの朝食もいいが、たまには、テント朝食で地域コミュニケーション能力を磨いてみることも重要な気がする。

テントの中で朝食をとる人々

(つづく)

【杉本 尚大】

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