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チャイナビジネス最前線

企業にも負担、高い住宅購入意欲~中国の素顔(2)
チャイナビジネス最前線
2011年2月25日 07:00

 中国山東省青島市郊外のホテルで、日々変わり行く中国を観察している現地滞在のフリーライターがいる。福岡と青島を定期的に行き来している彼に、リアルな中国の今をレポートしてもらった。

 中国のある新築マンションの外壁塗装風景に出くわした。日本ではありえない光景だ。作業員はたったひとり、腰に塗料缶をぶらさげてロープ1本で外壁の塗装をしている。窓枠には、まだサッシなどの建具も取り付けていない。聞くと、躯体部分の工事が終われば仮設の足場は取り除かれるとのこと。日本では足場が取り除かれる頃には、内装工事を残すのみとなっているのだが...。

ロープ1本で外壁の塗装を行なう作業員

 建築ラッシュの中国では仮設の足場機材も大忙しらしい。躯体工事が終わればさっさと次の現場へ向かうという。建具工事、内装工事、塗装工事は人手をかけてゆっくり施工されていく。中国ではスケルトン状態(コンクリート打ち放し状態で内装は別途)で分譲されることが多い。建設ラッシュの中国戸建て住宅の建築風景も日本と違い、興味深い。一見すると、廃虚かと思わせるようなスタイルだが、新築だという。鉄骨で躯体を組み、壁はブロックかレンガを積んで仕上げていくという。2008年5月に四川省地震が起きて、かなりの住宅が崩壊したにもかかわらず、中国の建築物には地震対策は感じられない。

 地方都市においてもインフラ整備とともに、その周辺の住宅地開発は盛んに行なわれており、活況を呈している。日本から中国に事業進出し現地で人材を雇用する場合、他の中国企業と同様に外資企業であっても一定の企業負担がいる。

 日本の場合、社会保険料負担として半額個人負担、半額企業負担として納付するしくみとなっていて、年々厚生年金保険料が増加するなか、労働者の正社員化を妨げる要因にもなっている状況だが、中国の場合は、もっとすごい。社会保険料の負担額は個人より企業のほうが多くなっているのだ。おまけに住宅積立金の制度もあり、5~10%の企業負担が課せられるという。(省によって若干違いがあるが。)

 会社が国に貯金してくれているのだから、働く人たちも「将来は家を買おう」と皆が考えるようだ。「どんどん稼いでどんどん国庫にお金を入れて、みんな家を建てよう」という制度だ。日本の高度成長期のように年々給料が上がり、サラリーマンでも住宅が買えるようになってきたのである。現地で雇用する場合は、公共負担の配慮しながら賃金額を決めていく必要がある。

(つづく)

【杉本 尚大】

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