2月某日、弊社にベスト電器の内情を伝える一通の文書が届いた。まずは、その一部を抜粋し掲載する。
これはベスト電器側に問題があるといわれている。
ベスト電器は昨年の小野社長に代わり、エコポイントと猛暑も手伝って増収増益で今期末着地が予想されている。しかし、これは業界全体が空前の業績を上げ、フロックと言われている。しかも実際の命令系統はとっくに引退したはずの有薗前会長や濱田社長から出されている。つまり実質有薗氏や濱田氏が実権を握っているというのだ。
つまり小野社長は有薗、濱田氏の操り人形というのだ。
社内外に公表せず各々相談役、顧問として居残り、勿論相当の給与も得て、自販機(お茶、ジュース)、健康食品などをベスト電器や社員、取引先に売りつけコミッションをとっている。両氏は現在創業者が創設した北田奨学会財団の各々理事長、事務局長をして居り、この財団にコミッションを落とすことで財団からも給与を得ている。
しかも有薗、濱田両氏はベスト電器の救世主であるビックの新井オーナーを"腹黒くてエゲツない人だ"と喧伝しているとのこと。しかもこの事実をビック側が把握しているというのだ。
この二人がここまでボロボロにしたベスト電器を何とか持ちこたえさせたのは深澤前社長であり、深澤氏の貢献は大であった。銀行やビックカメラにも人望があった。同社の中で唯一財務に長けて数字に強い経営者である。実際小野社長が一番頼りになるのは深澤氏であると語っているそうだ。
小野社長も傀儡であるが、有薗、濱田両氏と較べて営業経験が豊富で、両氏による経営の危機を半年で立て直した功績は大である。特に有薗氏が早く深澤、小野体制にしていたらこんな状況にならなかった。小野社長もお荷物は有薗氏だと側近に漏らしている。濱田氏とは程よいコミュニケーションが取れているそうだ。但し濱田氏は軽薄な人物で逆に小野社長に自分(濱田氏)方に顔を向けることだけを指示しているとのことだ。
上記のことが本当であれば、ベスト電器は旧態依然の体制が根深く残っており、自ら自浄作用を捨てて死中に活路を見出す方策を放棄したといっても過言ではない。
この「お家騒動」による経営再建の道を歩み始めてから、はや1年が過ぎた同社。「B・B」ブランドで反転攻勢を目論むも、実際は価格競争の波にさらされて守勢にまわっているのが現状だ。そんな同社の現状と課題についてさまざまな面から分析し、今後の生き残りの可能性について総括する。
【大根田 康介、流通取材班】
COMPANY INFORMATION
代 表:小野 浩司
所在地:福岡市博多区千代6-2-33
設 立:1953年9月
資本金:318億3,278万円
年 商:(10/2連結)3,456億1,900万円
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