<商業を沈滞化させる生活交通整備の遅れ>
私は約8年間、春日市議会議員として青少年育成問題や商工行政、子どもや高齢者の交通安全対策、防犯対策、ゲリラ豪雨対策などの早期解決を目指してきました。そのなかで、もっと大きな枠組みで解決すべき問題があることを痛感しました。それは春日市民の生活に密着した県道整備、西鉄やJRの交通整備、火事やゲリラ豪雨などの災害対策です。
現在、県道31号線はいまだ拡幅実施計画がなく、交通網の整備体制では産業道路やバイパスを次々に整備している近隣の自治体に比べて春日市が一番遅れています。また、九州新幹線開通に伴い、春日西部地区に住む市民の足であるJR博多南線の便数を減らすことなく恒久的に維持する必要もあります。現在、同路線の利用者は1日に1万2,000人で、そのうち半分の6,000人が春日市民です。むしろ、ダイヤの本数を増やす必要があるのです。
一方、竣工が遅れている西鉄・春日原駅東側の高架問題も早く解決しなければなりません。もともと平成26年の竣工予定でしたが、それがさらに遅れて平成34年竣工となっています。この遅れにより駅周辺の商業に深刻な影響を与えております。高架の竣工が遅れることに付随して再開発が遅れていくのです。私は、商店街の活性化をずっと市議時代から訴えてまいりました。シャッター通りが増えていくような状況は何とかして防ぎたいという想いがあります。
<市民活動から生まれる新産業>
商店街活性化の方策として、私は、シャッター街の空き店舗を利用したチャレンジ・ショップの導入に注目しています。これは千葉県木更津市で成功例のある事業ですが、市が家賃の半分などを助成し、主婦や学生など、幅広い市民に開放する取り組みです。
春日市は人口が11万と多いですが、産業を誘致するだけの土地がありません。ただし、土地が無いがためにできることがあります。それは11万人の市民の知恵から生み出す特許権や日本が誇れるアニメーション、ファッションや音楽等を活用した新産業の創出です。そして、そういったものを春日市初、福岡発の文化産業計画として打ち出していかねばなりません。
ただし同時に、個人所得のプラスアルファの面でロイヤリティ化、すなわち一人ひとりの特許権、また意匠登録や登録商標を行ないながら商業化していく必要があります。現在、中国に、「松阪牛」や「クレヨンしんちゃん」、「青森」、「山梨勝沼」といった地名までもが商標を取られ、他国人にそのロイヤリティを奪われています。日本人はこのことをもっと大切にしなければなりません。また、これを促す協力体制を行政が行ない、特許権や意匠登録などを有効に使用し、市民の所得倍増計画に含めるべきだと考えています。それは、外国人が日本人の登録商標などを使う際、日本人に支払われるロイヤリティが収入になるということです。
これからは『オンリーワンのまちづくり』が大前提です。今までは国や県へ補助金を「私の街により多くくれ」と競争し合っていた時代でした。今後は、国や県から各市町村は自立していかなければいけません。国が推し進めている道州制や合併は、「今からの時代は、それぞれの街で稼ぎなさいよ」という体制への移行なのですから。
だから『オンリーワンのまちづくり』を創り上げなければ春日市自体がもちません。そして、そんな街づくりをこれからどんどん各都市で行なっていかなければ、すでにGDPで抜かれている中国や飛躍を続ける韓国には追いつけません。
私は、規制緩和を行ない、特許権や登録商標、アニメ等の文化産業を市民が行ないやすくするための補助事業や基金などを立ち上げていきたいと思います。
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<プロフィール>
松尾 嘉三 (まつお よしみつ)
1969年6月23日、春日市小倉生まれ。春日小、春日中、東福岡高を卒業し、西日本短期大学法学部へ。2003年春日市議会議員に初当選し、議会運営員会副委員長、文教委員会委員を務めた。07年、2期目を3位で当選。地域建設委員長を務めた。自由民主党 春日・那珂川連合支部 青年局長。剣道5段。趣味はソフトボールと読書。両親、妻、子ども3人、愛犬1匹の8人家族である。
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