「ベスト電器は生き残れるか?」―この問いに対する答えは次のように集約される。
「これから家電の合従連衡が大きく起こる可能性が高い。その波に真っ先に飲み込まれるのはベストだ。生き残るために選択した『B・B』ブランドを死守しなければならない。そのためには、何よりも福岡の人間に愛されるものにならなければならない。しかし、現時点では地元企業として愛される以前に、商品を買う先として意識されているのかどうか疑問だ。この状況では生き残れない。
残された時間は少ない。400人のリストラによって社員1人ひとりの負担が増えているのはわかるが、消費者に評価されないようでは先がない。"安さ"だけでは通用しないのは明白。まずは地元の顧客の心をつかめるような、社員との交流の場をもっとつくるべきではないか」―。
最後に、取材過程で得た直近の消費者の声で締めくくりたい。
「ベストの店舗が減ったように感じる。ケーズデンキよりも高いと感じるため、近くにベストはあるが行かない。最近、ケーズデンキに入ってきた40代男性の契約社員さんは、もともとベストの副店長だったそうだ」(20代男性・大学生)。
「生活圏内が博多のため、ヨドバシカメラを使うことが多い。ここに行けばだいたい用事が済む。ネットなどを見たうえで、ベストやビックは価格比較のためにたまに見に行くことはあるが、最終的にはヨドバシカメラで購入することが多い。ベストは駅などから離れていることが多く、車などの移動手段がないと不便」(20代男性・会社員)。
「同じベストでも、違う店舗に行くと価格が違うことがあるので注意して見ている。他店チラシを持っていき、『こちらの方が安かった』と交渉する」(20代女性・大学生)。
「ヨドバシに行くことが多い。売り場が見やすく、買い物がしやすい。ポイントが魅力的」(20代男性・会社員)。
「家電は価格.comなどを参考にネットで購入することが多い。実店舗で購入する際はヨドバシが多い。店頭で価格交渉をする」(30代男性・自営業者)。
「ヤマダ電機でしか買い物をしないと決めている。以前、掃除機を購入した際、交渉したら割引してくれたうえにゴミのパックをサービスでつけてくれたため、それ以来ヤマダのファンになった」(10代男性・高校生)。
「家電は店によってビックリするくらい値段に差がつくことがあるので、3店舗ぐらい回って比較しながら購入を検討するようにしている」(40代男性・自営業者)。
【大根田 康介、流通取材班】
COMPANY INFORMATION
代 表:小野 浩司
所在地:福岡市博多区千代6-2-33
設 立:1953年9月
資本金:318億3,278万円
年 商:(10/2連結)3,456億1,900万円
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