「学歴もない自分が社長になった。今の若者に足りないのはリスク・チャレンジ。日本が再度の繁栄をするためには、若者が大志を抱かなければならない。若者が大志を抱ける制度改革が必要である」と語る(株)アイリンクインベストメント(本社:福岡市中央区天神)の代表取締役 CEOの岩本壮一郎氏。岩本氏は高校中退後、大検を取得し約4年9カ月のサラリーマン勤務のなかで株式投資を始め、23歳で脱サラしプロトレーダーとなり、そこで得た経験と資金を元に25歳で会社を設立。現在、投資顧問業で無借金経営を続け、人気ブログランキング金融部門5年連続日本1位と高い評価を得ている。注目を集める若手経営者として、「福岡、そして日本の今」はどう映っているのだろうか―。
<「疎い」発言で感じた危機感>
先日、日本国債が格下げされた際、菅首相が取材に対し、「初めて聞いた。本会議から出てきたばかり。そういうことには疎いので、改めてにしてください」と言いました。私は、それを知り、たいへんな衝撃を受けました。
日本国債の格下げ、すなわち債権が下落すれば何が起こるか。金利が上昇し、何もしなくても借金が増加します。総理大臣は国家の経営者です。そういう大切なことに対し、一国の総理大臣の態度として無関心であることに、ひとりの国民として危機感を覚えます。
今でもはっきりと覚えていますが、格下げが発表された日の16時51分に、通信社から英文の速報が会社に届きました。弊社がお客様に緊急情報として発信したのが16時53分です。私は、この件に関して国家財政の最重要なことと判断したのですが、その晩の報道は、総理の「疎い」発言ばかりを取り上げ、問題の格下げによって、財政に与える影響についてはほとんど報道しませんでした。マスコミも総理大臣も事の重要さをまったく分かっていません。
私は、経済リテラシーが高い国と低い国で民主主義のあり方が異なってくると考えています。まずは、政治家に高い経済の知識を持った人がなることが重要です。最近よく、二重行政の解消を口にする人がいますが、そこで「なぜ、二重行政がいけないのか?」と聞いても、「ムダ使いがあるから」などと漠然としたことしか言えません。
今、地方自治体はそれぞれ地方債を発行し、割高な金利でお金を借りています。負債比率が高すぎて地方債の格付けが低いのです。今後、先日国債格付けが引き下げられたことで、地方債も一気に引き下げられると思われます。そうなるとまた、地方の財政が圧迫されるのです。
そうなった時、小さな政府を目指す数値目標をはっきりと打ち出し、二重行政の解消や道州制への移行を進められる政治家がどれぐらいいるでしょうか。多分、今の政治家にそういうことを市民や県民に説明できる人はほとんどいないのではないでしょうか。
<人口減少を前提とした政策を>
今までの政治が通用しなくなっているのはみなさんが薄々感じていることだと思います。日本の人口は、1900年から2005年までの約100年間で人口は約3.5倍になりました。しかし、05年で頭打ちとなり、そこから減少が始まっています。
05年を転換点と考えると、それ以前と同じ政策を続ければ上手くいかないのが当たり前です。これからは人口が減ることを前提として考え、政策を組み立てていく必要があるはずです。
※経済リテラシー:経済に関する基礎知識。
<プロフィール>
岩本 壮一郎 (いわもと そういちろう)
1980年生まれ。泰星高校(現・上智福岡高校)在学中からイベント主催などのビジネスに着手。同校中退後すぐに大検を取得し、約4年9カ月間、サラリーマンとしてマーケティングを学ぶ。その後、プロトレーダーとして資金を貯めて起業。2006年1月23日、投資顧問会社(株)アイリンクインベストメントを設立。代表取締役兼CEOに就任する。
<COMPANY INFORMATION>
(株)アイリンクインベストメント
代表者:岩本 壮一郎
所在地:福岡市中央区天神2-7-21 天神プライム6階
設 立:2006年1月23日
TEL:092-404-4444
URL:http://www.ilinkinvestment.com/
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