2月20日の住民投票で賛成票が過半数を超えた結果、市議会が解散した鹿児島県阿久根市で、市議会リコール署名(9,266名分)に対して、解散される側の当時の市議7名が異議申し立てを行なっていた件について、その詳細が明らかになった。
今回明らかになったのは、市議7名の異議申し立てにより、出頭依頼を受けた人数と出頭した人数。阿久根市議会リコール実行委員会の委員長・石澤正彰市議が、2月16日に行なった情報開示請求によって公開された。
公開された資料によると、最も出頭依頼人数が多かったのは濱之上大成 前議長(異議申し立て件数159)の126名。このうち43名が出頭し、22名分の署名が有効から無効に転じた。最も異議申し立てが多かった中面幸人前市議の261件からは、30名が出頭依頼を受け、8名が出頭。2名分の署名が有効から無効に転じた。
出頭は異議のあった署名の人物に内容の確認をするため行なわれた。出頭した人には、ひとり当たり4,600円の費用弁償が支払われる。前市議の異議による出頭者87名への費用弁償は総額40万200円。
前市議7名による異議申し立て件数は合計598件。これによる出頭依頼人数は235名、出頭人数は87名。このうち、有効から無効に転じた署名は38名であった。また、それ以外の異議申し立ては10件あり、合わせると608件の異議申し立てがなされた。前市議7名による異議の割合は約98%となる。
つまり、市議会解散のリコール署名に対して、文句をつけたのは解散される立場の市議ばかり。集まった民意に疑問を持ったのか、その真偽を確かめるのは勝手だが、民意を受け止めるべき市議としての姿勢に疑問符がつく。
【山下 康太】
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