中国山東省青島市郊外のホテルで、日々変わり行く中国を観察している現地滞在のフリーライターがいる。福岡と青島を定期的に行き来している彼に、リアルな中国の今をレポートしてもらった。
中国山東省青島市は中国山東半島の南端に位置し、黄海に面している。青島ビールや家電メーカーのハイアールの本拠地があり、最も経済活力のある十大都市の一つにランクされている。東京からは毎日、福岡からも週4日直行便が就航しており、ソウルを経由すれば、毎日行き来できる。日本に一番近い中国の都市だ。日系企業は現在300社ほど進出しており、韓国にも近いことから韓国系企業も多数進出している。
また、過去にドイツの租借地であった歴史があり、ドイツ系の企業も他の都市に比べて多いようだ。現に、街を走っている古いタクシーはほとんどドイツ製だし、ビールが有名なのも、その名残と言える。上海などと比べて坂道が多いため、自転車は少なく、歩きやすい。観光地も多く、とにかく中国の他の都市に比べて「街がきれい」な気がする。
海あり山あり観光スポットはたくさんあるが、出張者や赴任者におすすめなところは日本式ナイトクラブ。市内に50軒ほどある。日本のキャバクラとラウンジスナックの中間のようなところ、お客はほとんど日本人。カタコトながら日本語をしゃべるホステスさんが横に座って、相手をしてくれる。料金も日本円で3,000円程度。こういうところでは生の中国語の勉強の場と思うのがいい。リラックスして習う中国語が一番記憶に残るものだ。ホステスさんたちも心得たもので、メモ帳を出して筆談で教えてくれる。山東省内の田舎から青島市に出てきて日本語を学び、将来は日系企業か日本で仕事をしたいと考えている知的レベルも高く、好奇心旺盛な娘たちが多い。
ナイトクラブといってもカラオケ機械も置いている所が多く、日本の曲もたくさんある。
普通のカラオケボックスにも日本の曲はほとんど完備している。ここで注意したいのが、普通のカラオケボックスは「量販店」か「量販式」、カラオケにはもうひとつ別の意味がある。「カラオケに行こう」って言うと、「どっちのほう?」って言葉が返ってくる。
【杉本 尚大】
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