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1千年に1度の国難、克服へ(8・終)~人類への警鐘、試される日本の政治
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2011年3月30日 07:00

 いずれにせよ、今回の巨大地震や大津波の発生はこれで終わりとなる保証はどこにもない。このところの世界各地で発生している自然災害の規模と頻度の拡大傾向は、今後も引き続き、こうした災害を前提にした国家運営が必要であることを教えている。地球そのものが地殻変動期に突入しているといわれるからだ。ニュージーランドでの地震の前にも、バンダ・アチェの地震や津波、そしてインドネシアでの巨大な火山噴火などが起こっており、その例証には事欠かない。

地球 近く発表される「ネイチャー」誌にカリフォルニア大学バークレー校のアンソニー・バーノスキー教授が興味深い論文を掲載することになっている。曰く「地球の5億4,000万年の歴史において、過去5回、生物の絶滅の危機が襲ってきた。前回の危機は6,500万年前で、メキシコへの隕石落下が引き金となった。恐竜が絶滅したとされる氷河期の到来であった。実は、今、過去の生物絶滅に匹敵する第6回目の危機が迫っている。これは人類が自然環境を破壊してきた結果である。すでに過去500年の間に地球上に生息していた哺乳類5,570種類のうち、少なくとも80%は絶滅した」。聞き捨てならない論考である。

 われわれ人類の活動がそこまで他の生物の生存を脅かしてきたのか。ひいては地球の存続そのものを危機的状況に追いやっている、というのであろうか。経済活動を優先するあまり、地上には天然資源が無尽蔵にあるかのごとく錯覚してきたのではないだろうか。石炭から石油へ、そして天然ガスやウランへ。際限のない資源強欲主義の蔓延に対して、地球という生命体が強制的な「リセット」を要求しているのであろうか。

 バーノスキー教授の論文を読むと、そんな気がしてならない。一連の巨大地震や大津波は人類への警鐘と受け止めるべきかもしれない。少なくともそうした視点から、目前の危機的状況を捉え、経済、エネルギー、環境政策を再構築すべきでなかろうか。日本の政治がその使命感を問われている。

(了)

【浜田 和幸】

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<プロフィール>
浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸(はまだ かずゆき)
参議院議員。国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選を果たした。


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