（株）キャリーオン　専属講師　吉本　精樹

＜営業マンから企業経営者まで　幅広い教育研修事業を展開＞

　人材派遣を主な事業とする「株式会社キャリーオン」は2009年秋、教育研修事業部を新設し、企業の研修プログラムを提供する事業に本格的に進出した。プロデュースするのは、コミュニケーション教育講座や組織風土改善研修のスペシャリストである吉本精樹氏（同社専属講師）。吉本講師の監修のもと、プレゼンテーション能力やリーダーシップ能力を向上させる研修プログラムを開発し、クライアント企業に提案している。
　たとえば、健康器具を扱う営業マンが客先で相手の話を上手に聞き、共感を得るための営業トークや、紹介営業を行なっている会社向けに新規顧客をつかむプレゼンテーションのやり方など、具体的な研修プログラムが成果を上げている。ほかにも会議や商談、冠婚葬祭など社内外でスピーチの機会が多い社長や経営トップを対象にした「緊張しない話し方」を指導する話し方教室など、ユニークで身近な内容のプログラムも用意している。
　また、教育研修事業以外に、研修を派生させた事業も検討している。吉本講師は「研修では当然、それぞれの職場のなかに入っていかなければなりません。研修サービスを通して明るい職場づくりのお手伝いができればと考えています」と説明する。
　一般に職場風土の健全化や活性化については総務や人事の業務としている企業が大半だが、それらの部署は多忙で充実した業務ができない例が多い。そこで同社が目を付けているのが労働組合だ。企業の労組に明るい職場づくりの担い手になってもらおうというプログラムを検討しているという。
　「時代の変化により、今は存在価値が薄れ、活動が形骸化している労組が多くあります。その労組に職場づくりの肩代わりをしてもらうことで職場も労組も活気づきますし、総務や人事の業務も減ります。職場が明るくなり、人と人がつながることで組織の不祥事を防止するメリットも期待されます。企業と社員（労使）、企業と消費者、消費者と消費者というように、キャリーオンは人と人をつなぐ人材サービス企業を目指したいと思います」（吉本講師）。

＜チームビルディングの手法を　高齢者同志の交流会へ応用＞

　『人と人をつなぐ』人材サービスでは、職場づくり以外の展開も考えられる。その一案が、研修のチームビルディング手法を高齢者同士の絆づくりに用いるアイデアだ。吉本講師は、すでに話し方教室を発展させた「友活コミュニケーション倶楽部」という交流会を主宰しているが、ここでは団塊の世代以上の人たちが普段から集まり相談し合う。このような交流会を、企業を巻き込み、CSR（企業の社会的責任）活動の一環として発展させられないか検討しているという。
　具体的なアイデアとしては、ショールームで高齢者対象の料理教室を開き、見知らぬ人同士を結びつけ、彼らの不安感や孤独感を軽減する場として活用するなど。こうした提案をガス会社へ働きかけることも考えられるだろう。このように同社は、教育研修事業を通して顧客企業同士を結ぶＣＳＲのファシリテーション（舵取り役）としてポジショニングを固めたいと考えている。

＜プロフィール＞
吉本　精樹　（よしもと　せいき）
大学卒業後、ゼネコンに就職。イラク共和国の高速道路建設工事、東南アジア諸国でワーカーの雇用と契約、管理業務を経て帰国。1991年、「西日本話し方教室」を開設。01年「会議の王様」開設後、生産的な会議を行なうためのセミナーを開催する。また、地域コミュニティの再生を目的とする『平成まなび舎』を展開中。全国の企業、病院、福祉施設などで精力的に活動している。

＜会社概要＞
（株）キャリーオン
代表者：中村　正文
所在地：福岡市中央区舞鶴1-2-22　天神ジャパンビル3F
設　立：1995年11月
資本金：1,220万円
ＴＥＬ：092-724-5207
ＵＲＬ：http://www.carryon.jp/

※本稿は以下の書籍に掲載されています。

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活用法その１ 「企業経営の良き参考書」
　各界を代表する有名経営者の提言は、これから起業される方をはじめ、現在、経営に携わっている方への良きアドバイスとなるでしょう。経営戦略・人材育成・CSR（企業の社会的責任）など、内容は多岐に渡っており、さまざまな場面でお役に立つはずです。

活用法その２「営業先を知るための予習書」
　福岡を中心に各企業の代表がずらりと掲載されている本著は、各経営者の考え方や社歴を知るための予習書として営業ツールに最適です。

活用法その３「福岡の未来が分かる予言書」
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