福岡県生コンクリート工業組合(博多区)は、福岡県の2010年度(10年4月~11年3月)生コン出荷量が、09年度対比98%の293万7,974m3と発表。同県の11年3月度単月の出荷量は、24万6,032m3で同対比95.4%であった。
福岡地区においては、3月度の出荷量は8万6,620m3で同対比97.5%。10年度の出荷量は、103万9,980m3。同対比101.5%と09年度を辛うじて上回った。出荷量の数値について福岡地区の業界消息通は、「予算の106%の出荷量をカウント。市況が厳しいなか健闘したと言ってよい」とコメント。一方、「09年度をオンしているが、09年度の市況が低すぎたことで、10年度は100%を超えただけ。喜べる数値でないことは明白。今後も厳しい市況であることは変わりない」と冷静に分析する関係者も少なくはない。
福岡地区39工場、工場単位で出荷量を換算すると、平均年間出荷量は2万6,666m3。月間平均は2,222m3。健全な経営が成り立っているとは到底思えない。業界で採算ラインと言われている月間平均3,000m3を出荷するには、10年度の出荷量を想定すると、あと11工場減らせなければならず、11年度110万m3の出荷量を確保できる保証はない。各社各工場、本当の共存共栄を目指して工場の集約化を含めた経営合理化を急ピッチで進めることが急務と言える。
一方、「福岡地区の次期理事長は誰なのかという、人事関連の話もチラホラ聞く。具体的な人物名は知らされていないが...」とは、同地区の関係者。組合に近い関係者は「次の理事長は誰にするのかという話は出ていない。皆一生懸命業界改善のために、やっている」と語った。
今後、同地区幹部の人事とともに、工場集約化に対する動向が注目される。
【河原 清明】
*記事へのご意見はこちら