NET-IB NEWSネットアイ

ビーニュース

脱原発・新エネルギーの関連記事はこちら
純広告用VT
カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

チャイナビジネス最前線

福島原発事故で九州の観光産業にも暗い影~中国の素顔(10)
チャイナビジネス最前線
2011年4月14日 07:00

 中国山東省青島市郊外のホテルで、日々変わり行く中国を観察している現地滞在のフリーライターがいる。福岡と青島を定期的に行き来している彼に、リアルな中国の今をレポートしてもらった。

中国での福島第一原発関連の報道 中国では、いまだに放射能漏れが続いている福島第一原発関連の報道が連日大きく取り上げられている。

 日本政府は、原発の近県で暫定規制値以上の放射性物質が検出されたため、一部の野菜や牛乳の出荷制限を発表した。
 これを受け、中国政府は日本の福島県、茨城県、群馬県、栃木県産の野菜、乳製品、水産物などを輸入禁止とした。

 2008年の中国の毒入り餃子事件の後、しばらくの間、日本では「中国産食品は危険」との風評被害は拡大し、冷凍食品をはじめ加工食品に至るまで中国産食品は日本の市場から消えていった。これと同じ現象が中国全土で広がりつつあるように思える。中国の一般市民の感覚では、日本全国が中国でいうひとつの省区の大きさととらえているようで「日本の食品はすべて放射能に汚染されつつある」という印象をもっているようだ。

 青島市内にある回転寿司店をのぞくと、こころなしかいつもよりお客が少ない。
 この店ではネタのほとんどが中国産か韓国産で、もともと日本産の魚介類は少ないのだが・・・。看板に「日式」と堂々と書いてあるものだから、「日本産の魚は危ない」との口コミの風評被害で影響を受けているという。

 一方、現地の旅行代理店では東北関東のツアーだけでなく九州へのツアーについてもキャンセルが相次いで発生しているようだ。また、春以降の九州ツアーの予定もまったく白紙らしい。九州の観光産業は国内需要が落ち込むなか、中国や韓国の観光客により下支えをされていた現状があるだけに、今後観光客の減少が懸念されるところだ。九州からは遠い福島第一原発の事故が、旅館やホテルをはじめ九州の観光産業に重い影を落としつつある。

(つづく)

【杉本 尚大】

≪ (9) | (11) ≫

*記事へのご意見はこちら

関連記事

powered by weblio


チャイナビジネス最前線一覧
チャイナビジネス最前線
2011年8月15日 07:00
チャイナビジネス最前線
2011年8月 1日 15:23
チャイナビジネス最前線
2011年7月28日 11:54
チャイナビジネス最前線
2011年7月20日 11:31
チャイナビジネス最前線
2011年7月 4日 13:25
純広告VT
純広告VT

純広告用レクタングル


IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル