10日、投開票が行なわれた福岡県議選において、7人の公認候補を擁立したみんなの党。同党の候補者は各選挙区で善戦したが、あと一歩およばず、今回、議席の獲得はならなかった。
福岡県議会に博多区(定数3)から出馬した同党の公認候補で、投資顧問会社CEOの岩本壮一郎氏(30)は、7,091票を獲得するも落選。2月末の出馬表明後、東日本大震災へのボランティア活動を行なっていたこともあり、実質的な政治活動は告示後の選挙運動のみ。今回、福岡市で最も低い投票率38.45%であった博多区において、確たる組織票を持たずして挑んだ結果としては、かなり健闘したと言えるだろう。
福岡県議会・博多区の結果が出たのは23時30分頃。岩本氏の事務所前では、同氏の支援者らが輪を作り、静寂とした雰囲気のなか、岩本氏の帰りを待っていた。
ほどなくして事務所に戻ってきた岩本氏は、支援者らに取り囲まれていた。今回の選挙について涙ながらに自身の無力さ、そして支援者への感謝について語った岩本氏。支援者らは、声をかけ抱擁していた。また、その後続々と複数の関係者が訪れ、岩本氏の労をねぎらっていた。しばらくの間、岩本氏を囲む輪が崩れることはなかった。
初の選挙で、岩本陣営は予想だにしなかった困難に直面した。選挙ポスターが山笠を背景にしていたことで「伝統文化の政治利用は不適切」というクレームが寄せられた。岩本氏は、「高すぎるハードルはくぐればいい。ピンチをチャンスに活かそう!」と選挙スタッフを鼓舞。街宣活動のなかでポスターを貼り替えていく岩本陣営の姿勢に対し、地域住民のなかから「支持」へと転じたとの声も寄せられたという。
「リスクを背負ってチャレンジする若者が、正当に評価される世のなかにしたい」と、若者の起業促進を訴えていた岩本氏。今回の挑戦は、リスク・チャレンジを率先して行なったものと言えるだろう。今後の活躍に期待したい。
【特別取材班】
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