<ばらまきではない効率的な復興計画を>
3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方に甚大なる被害を与え、日本の経済全体へも暗い影を落としています。中小企業の経営者として、これから先、ますます厳しい状況になると思います。
復興のためには、まず、10年で50兆円をかけて100兆円の経済効果を与えるといった復興事業計画書を作成しなければなりません。そして、その基本となるのは「道州制」です。比較的被害が少なかった秋田と山形も加えて東北州とし、いわゆる"ばらまき"をやめ、地域の人が興す経済成長につなげなければならないと思います。
効率をあげるには、人口から必要な生産性能を割り出すといった逆算を行ない、産業の種類も決めていくといった考え方が必要です。産業では、集約化を図ることでも効率が上がります。補助金を出して若者の起業を促進し、産業を育成することも大事です。
また、被災地に限らず、今後は、老人介護と保育の施設が一体となった一体型集合住宅を増やしていくべきだと考えています。現在、被災地では、仮設住宅の建設が進んでいますが、半分くらいは被災者の方たちが雇用として収入を得るかたちで、建てていったほうがいいのではないかと思います。体を動かすことは、精神的なケアにもなります。
しかし、復興事業計画は、その土地の方々で作らなければなりません。各自治体の首長、職員が集結し、それに東北地方の事情に明るい有識者や専門家が参加したかたちで話し合うべきだと思います。何より、投資効率を考慮することが大事です。投資効率の低いことに税金を使わないということです。
参考にしていただきたい私の持論は、「少子高齢化は75歳まで働くことで解消する」ということです。70歳以上で健康上に問題がなく働ける人は、税の優遇を与えるなどして、労働を奨励するのです。また、仕事場に行けば、孤独になることもありません。
<4月29日を「喪明けの日」に>
現在もなお続く自粛ムードが、経済活動を縮小させています。しかし、これを延々と続けると、逆に被災地の方を苦しめる結果を招きます。東北の酒蔵が、「花見を自粛しないでくれ」といった話もありましたよね。どこかで"区切り"をつけないといけません。
そこで提案ですが、東日本大震災発生から四十九日にあたる4月29日を「喪明けの日」とし、地震が発生した午後2時00分、国民全体で1分間の黙祷をする。そして、そこから経済活動を活性化させる方向に日本全体が向かう、というようにすべきではないでしょうか。
また、企業の間では、経常利益の1%を義援金として被災地に寄付する運動を広げていきたいと思います。被災地を支援するためにも、自分たちの仕事に一生懸命取り組む。こういう姿勢が、これからの日本に必要だと思います。
<プロフィール>
1942年福岡県生まれ。県立八女工業高校普通電気科卒業後、「小野田セメント」に入社。25歳で退社し「角栄計装」を設立。72年退社し、八女で「石橋電業社」を設立。88年、「石橋電業社」倒産後、事業を引き継いだ「エヌビーエス(株)」に入社。社員勤務を経て、92年に代表取締役社長に就任。
<COMPANY INFORMATION>
エヌビーエス(株)
代表者:石橋 一海
所在地:福岡市博多区奈良屋町5番10号
設 立:1985年6月
資本金:4,725万円
TEL:092-263-8833
URL:http://www.nbskk.co.jp/
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