最近、飲みに行くと、地震の話題になることが多い。きのう飲みに行った店の店長は、6年前に発生した福岡県西方沖地震の体験を語り出した。
地震が起きたのは昼前、中洲の飲み屋が営業していない時間帯である。当時、その店長が働いていたのはフィリピンパブ。店内における人的被害はなかったが、酒ビンやグラスなどが壊滅的な被害を受けた。「店内に入ると、棚にあった酒ビンが床に落ちて割れ、ブランデー、ウイスキー、焼酎が混ざり合ったものすごい臭いが充満していました」。後片付けを始めたが、とうていその日に営業できる状況ではなかった。
ところが、その店で働くフィリピン女性たちが、次のメール内容を一斉配信したことが騒動へと発展した。「パパ、こわい!」。愛しの娘を守るため、後片付けも終わっていない店へ、大勢のパパたちが「すわ、一大事!」と押し寄せたのである。その店のオーナーは「開店」を覚悟した。
現場は大混乱だ。酒を出そうにも酒がない。洗い物をするにも水道は止まっている。ボーイはバケツを持って水を汲みに外へ出撃。氷も不足した。しかし、ぬるい水割りを飲みながらも、愛しの娘の無事を確認できたパパたちはたいそうご満悦であったという。
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